こんにちは。おとFITNESS運営者の「OTOWA」です。
筋トレを頑張っているけれど、なかなか全身のバランスが良くならない、あるいはこれから本格的に鍛えたいけれど何から始めればいいか迷っている、という方は多いのではないでしょうか。
そんな方におすすめしたいのが、全身の筋肉を最も効率よく鍛えられるビッグ5と呼ばれる筋トレです。
筋トレのビッグ3という言葉は聞いたことがあるかもしれませんが、そこに2つの種目を加えることで、よりバランスの良いボディメイクが可能になります。
この記事では、そんな筋トレビッグ5に関する情報をどこよりも詳しく、現役パーソナルトレーナーである私が解説していきます!
- ビッグ5が全身の筋肉に与えるメリット
- 各トレーニング種目の正しいフォーム
- 初心者や女性がにおすすめのメニュー構成
- 筋肥大やダイエットに効果的なセット数やトレーニング頻度
筋トレのビッグ5とは?

筋トレビッグ5という言葉を初めて聞く方もいるかもしれませんね。
ここでは、従来のビッグ3との違いや、それぞれの種目が私たちの体にどのような変化をもたらしてくれるのか、その効果を詳しく見ていきましょう。
ビッグ3の欠点を補う全身への効果
筋トレの王道種目といえば、下半身を鍛える「スクワット」、上半身の前面を鍛える「ベンチプレス」、そして体の背面全体を鍛え上げる「デッドリフト」のビッグ3が非常に有名です。
これらは非常に優れた多関節運動(コンパウンド種目)であり、これだけでもかなり効果的です。
しかし、解剖学的な視点から見ると、ビッグ3だと補えない動きが存在しています。
それは、腕を頭上に持ち上げたり、上から下に引いたりする「垂直方向の動き」が抜け落ちているという点です。
人間の体は、前後、左右、上下とあらゆる方向(運動面)に動くように設計されています。
ベンチプレスは、「水平方向に押す」、デッドリフトのバリエーションであるロウイング系は、「水平方向に引く」動きですが、これだけでは肩の筋肉(三角筋)や背中の広がりを作る筋肉(広背筋)への刺激が不十分になりがちです。
そこで、上から垂直に引く「懸垂(プルアップ)」と、下から垂直に押す「ショルダープレス」という2つの種目をビッグ3に加えたのが、「ビッグ5」です。
これら5つの種目を組み合わせることで、ほぼすべての動きを補うことができます。

さらに、ビッグ5全ての種目が複数の関節と大きな筋肉群を同時に稼働させるため、身体に対して与える物理的なストレス(メカニカルテンション)が極めて大きくなります。
この強力な筋肉への刺激は、脳の中枢神経系に、「もっと筋肉を増やさなければ適応できない」という信号を送り、テストステロンや成長ホルモンといった筋肉を育てるためのホルモン分泌を、内分泌系から引き出してくれるかなと思います。
また、単一の筋肉をマシンで鍛えるのとは異なり、全身の連動性(キネティック・チェーン)も劇的に高まるため、日常生活のパフォーマンス向上や基礎代謝の底上げにも効果を発揮します。
ビッグ5の正しいやり方は?
ビッグ5の種目は非常に効果が高い反面、重い重量を扱うため、間違ったフォームで行うと怪我のリスクも高まります。
狙った筋肉に最大限の負荷を乗せつつ、関節や靭帯を安全に保護するための「正しい生体力学的なフォーム」をマスターすることが、長期的なボディメイク成功には重要です。
まず「スクワット」ですが、これは単に膝を曲げる運動ではありません。
お腹周りに360度から強い圧力をかけ(ブレーシング)、体幹を強固なコルセットのように保った状態で、股関節を後ろへ引き込む動作(ヒップヒンジ)からしゃがみ始めるのが鉄則です。
これにより腰への負担を減らし、大臀筋や大腿四頭筋にしっかりと負荷を乗せることができます。
次に、「デッドリフト」は、体の背面(ポステリアチェーン)を強化する最強の種目です。
背骨を真っ直ぐ(ニュートラル)に保ち、お尻と太もも裏の筋肉がピーンと引き伸ばされる強いテンションを感じながら、大地を足の裏全体で蹴るようにして立ち上がります。
上半身の種目である「ベンチプレス」で最も多い怪我は、肩のインピンジメント(衝突・挟み込み)です。
これを防ぐためには、バーを下ろす際に脇を90度に開くのではなく、約45度に絞ってバーの軌道を安定させることが重要です。
「懸垂(プルアップ)」は、腕の力で体を引き上げるのではなく、ぶら下がった状態から最初に、「肩甲骨をグッと下げる(下制)」動きを入れることで、背中の広背筋を主動筋として使うことができます。
最後に、「ショルダープレス」は、立った状態(スタンディング)で行うのがおすすめです。
頭上に重いバーベルを押し上げるため、重力に負けないようにお腹とお尻にギュッと力を入れ、体幹を真っ直ぐに保つことで、肩だけでなく全身のバランス能力を鍛え上げることが可能になります。
- スクワット:腹腔内圧を高め、股関節の屈曲(ヒップヒンジ)から始動する。
- デッドリフト:背骨の自然なS字カーブを維持し、ハムストリングスの伸張を感じる。
- ベンチプレス:肩関節を保護するため、脇の角度は約45度をキープする。
- 懸垂:腕の屈曲より先に、肩甲骨の下制(引き下げ)から動作を開始する。
- ショルダープレス:体幹の等尺性収縮(アイソメトリック)を維持し、全身の反動を抑える。
ヒップアップやダイエット効果はある?
「ビッグ5」と聞くと、バーベルを担ぐ男性向けの筋トレ、というイメージを持たれる方が非常に多いと思います。
しかし、実は女性のボディメイクやダイエットにこそ、このビッグ5を積極的に取り入れてほしい理由があります。
なぜなら、小さな筋肉を鍛えるよりも、全身の大きな筋肉をダイナミックに動かす多関節運動の方が、消費カロリーが桁違いに多く、投資対効果(タイパ)が圧倒的に高いからです。
例えばスクワットやデッドリフトは、体の中で最も体積の大きい筋肉が集まる下半身(大腿四頭筋、大臀筋、ハムストリングス)を一度に限界まで稼働させます。
これにより、トレーニング中の消費カロリーが跳ね上がるだけでなく、運動後も数十時間にわたってカロリーが燃えやすい状態(EPOC:運動後過剰酸素消費量)が続きます。
これが抜群のダイエット効果を生み出すメカニズムです。
同時に、お尻の筋肉に対して強い刺激(ストレッチ)がかかるため、重力に逆らうキュッと上がった上向きのヒップラインを作るのに最適なんです。
上半身の種目に関しても、女性に嬉しいメリットが満載です。
「ベンチプレス」は大胸筋を鍛えることで、加齢によって下がりがちなバストの土台を物理的に引き上げ、下垂を防止します。
「懸垂」や「ショルダープレス」は、背中や肩回りの筋肉を刺激して血流を改善するため、肩こりの予防になるだけでなく、背中の美しいくびれや、引き締まった二の腕のラインを際立たせてくれます。

疲労を考慮した初心者向けメニューは?
ビッグ5は全身をダイナミックに使う種目ばかりなので、メニューの組み方(プログラミング)には細心の注意が必要です。
初心者の頃は、「早く筋肉をつけたい!」というモチベーションが高く、つい毎日ジムに通って重いものを持ち上げたくなりますが、それでは怪我や慢性的な疲労(オーバートレーニング)に直結する可能性があります。
筋肉はトレーニングをしている最中ではなく、休んでいる時に修復されて大きくなるということを忘れないでください。
週3回の全身ルーティンで基礎を固める

筋トレを始めたばかりの初心者は、筋肉の絶対的な出力(扱える重量)がまだそこまで高くないため、関節や中枢神経への疲労蓄積が比較的少ないという特徴があります。
そのため、日によって鍛える部位を分ける分割法(スプリットルーティン)よりも、週に3回(例えば月曜・水曜・金曜など)、各セッションの間に必ず1日の完全な休息日を挟む形で、毎回全身をバランスよく刺激するトレーニングが最も効果的かなと思います。
具体的なメニュー例としては、以下のような組み合わせが考えられます。
【月曜日】 スクワット(5回×5セット)、ベンチプレス(5回×5セット)、デッドリフト(5回×5セット)
【水曜日】 スクワット(5回×5セット)、ベンチプレス(5回×5セット)、懸垂(限界回数×3セット)
【金曜日】 スクワット(5回×5セット)、ショルダープレス(5回×5セット)、デッドリフト(5回×5セット)
特にデッドリフトは全身への負荷が最も大きいため、疲労具合によっては、水曜日を懸垂などの背中のプル種目に差し替えることで、腰回りの疲労をうまく抜くことができます。
まずは「12回×3セット」などの中等度ボリュームで正しいフォームを安定させることを最優先に、無理なく体を慣らしていきましょう。
ビッグ5のような多関節運動を行った翌日は、筋肉だけでなく脳(中枢神経系)も深く疲労しています。連続した2日間のトレーニングは体の回復時間を奪ってしまうため、必ず間隔を空けてください。
筋トレビッグ5で成果を出すには?

基本的な各種目の理論とメニューのベースを理解したところで、次はいかにして効率よくボディメイクしていくかにフォーカスしていきましょう。
せっかく時間と労力をかけてキツいトレーニングをするなら、最大限の効果を得たいですよね。
ここでは、セッション内の順番から、栄養と休息の科学まで、より実践的なトレーニング理論をお伝えしていきます。
筋トレの効率を高めるおすすめの順番
トレーニングジムに到着して、どの種目から手をつけるべきか迷うことがあるかもしれません。
1回のトレーニングセッションにおける種目の順番は、決してランダムに決めて良いものではなく、明確なセオリーが存在します。
基本のルールは、「大きな筋肉群から小さな筋肉群へ」「エネルギー消費が激しく、集中力を要する種目から先へ」という順番を守ることです。
疲労のない前半に高負荷種目を持ってくる
ビッグ5の種目はすべて大きな筋肉を使うコンパウンド種目ですが、その中でも特に全身の連動性と中枢神経のフレッシュな状態を必要とするのが、「スクワット」と「デッドリフト」です。
これら背骨に直接重さが乗る(軸圧がかかる)種目を、トレーニングの後半、すでに体が疲労しきった状態で行うと、体幹のブレーシング(腹圧)が抜けてフォームが崩れ、腰痛などの怪我を引き起こすリスクが上がります。
したがって、セッションの第1種目には、スクワットかデッドリフトのどちらかを持ってくることをおすすめします。
上記の足腰へ負荷がかかる種目を終わらせてから、ベンチプレスやショルダープレスといった上半身のプレス種目、そして懸垂などのプル種目へと移行するのが、エネルギー切れを起こさずに全ての部位をしっかりと安全に追い込む方法です。
毎日のトレーニングはNG!

「早く結果を出したいから、今日から毎日腹筋と腕立て伏せをやります!」という意気込みは素晴らしいのですが、生理学的な観点から言うと、毎日同じ部位を鍛えるのは非常に非効率的であり、逆効果になりかねません。
先ほども触れましたが、筋トレという行為自体は、筋肉の繊維に微細な傷をつけ、「今の筋肉量では生きていけないから、もっと強く成長しろ!」というスイッチを押すための作業です。
実際に筋肉の合成が促され、太く強くなるのは、あなたが家でご飯を食べ、深く眠っている休息の期間なのです。
激しいトレーニングによって高まった筋肉の合成シグナル(筋タンパク質合成:MPS)は、およそ48時間から72時間でベースライン(元の状態)に戻ってしまうことが分かっています。
つまり、週に1回しか鍛えないと成長の機会を取りこぼしてしまい、逆に毎日鍛えると回復が追いつかず筋肉が分解されてしまいます。
これらを考慮すると、1つの部位に対して、「週に2〜3回」のペースで刺激を入れるのが、筋肉を成長させるための最適な頻度となります。
(出典:厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド 2023』)においても、生活機能の維持・向上や疾患予防の観点から、筋力トレーニングを週2〜3日実施することが推奨されています。
筋肥大を最大化する回数とセット数

筋肉を大きく発達させる(筋肥大)ための最適なボリュームについては、長年のスポーツ科学の研究によってひとつの結論が出ています。
それは、1つの対象となる筋肉群につき、「週にトータルで10セット程度」の刺激を与えることです。
しかし、これを1日で全て消化する(例:月曜日にベンチプレスを10セットやり切る)というアプローチは、後半のセットで明らかに質が落ちてしまうため非効率の極みです。
そこで例えば、月曜日に5セット、木曜日に5セットというように、同じ部位でも週の中で分散させて行うのもおすすめです。
また、トレーニング初心者が陥りがちなのが、「セット間の休憩時間を極端に短くしてしまうこと」です。
休憩を30秒や1分にしてすぐに次のセットに入ると、筋肉がパンパンに張って乳酸が溜まり、疲労を感じるため「すごく効いている!」という達成感を得やすいのは事実です。
しかし、ビッグ5のような高重量を扱う種目においては、筋肉内の主要なエネルギー源(ATP-CP系)を回復させ、中枢神経の疲労を和らげるために、セット間に最低でも2分〜3分以上のインターバルをしっかりと確保することが、科学的に推奨されています。
短い休憩でバテてしまい、扱う重量が落ちてしまっては、十分なトレーニングボリュームを確保できず、本末転倒になってしまいます。
ですので、スマホのタイマーなどを活用して、勇気を持って長く休むようにしてください。
重量設定と停滞期を防ぐためのコツ

数ヶ月間トレーニングを継続していると、必ず「使用重量や回数が全く伸びなくなる」という停滞期(プラトー)に直面します。
筋肉は環境に適応する天才ですので、いつまでも同じ重さ、同じ回数を漫然と繰り返していては、それ以上の成長を止めてしまいます。
筋肉を継続的に成長させるために意識したいのが、「漸進性過負荷(ぜんしんせいかふか)の原則」です。
漸進性過負荷とは、前回のトレーニングよりもほんの少しだけハードな刺激を体に与えることです。
「バーベルの重量を1kg増やす」「同じ重量で反復回数を1回増やす」「フォームの精度を高める」といった小さな更新を毎回のセッションで狙っていきます。
しかし、中級者以上になって扱う重量が増えてきたり、ダイエット目的でカロリー摂取量を制限(減量)していたりすると、体の回復力が追いつかず、全セットを高重量で行うことが難しくなってきます。
そんな時におすすめなのが、「RPT(リバース・ピラミッド・トレーニング)」という高度な手法です。
これは、入念なウォームアップの後、全く疲労のないフレッシュな第1セット目に、「その日の最高重量」を持ってきて限界まで追い込み、第2セット以降は重量を10%ほど落としていくという方法です。
これにより、中枢神経を過度に疲弊させることなく、筋肉の成長に不可欠な、「最大強度の刺激」を確実に与えることができます。
【安全に関する注意事項】
本記事で解説している重量設定、セット数、トレーニング手法はあくまで健康な成人を対象とした一般的な目安です。関節に痛みや違和感がある場合や、持病をお持ちの方は決して無理をしないでください。正確なフォームの習得や、ご自身の体に合わせた最終的なプログラムの調整については、医師や専門のパーソナルトレーナーにご相談されることを強く推奨いたします。
結論:筋トレビッグ5で理想の体へ
ここまでお付き合いいただき、本当にありがとうございます。
スクワット、デッドリフト、ベンチプレス、懸垂(プルアップ)、ショルダープレスの「ビッグ5」は、単なる筋トレ系YouTuberが勧める人気種目の寄せ集めなどでは決してありません。
人体の構造と運動面を科学的に分析し、全ての筋肉群を網羅して最大限の成長を引き出すための、極めて洗練されたトレーニングの最適解です。
始めたばかりの頃は、バーベルの軌道がブレたり、ヒップヒンジの感覚が分からなかったりと、フォームの習得に戸惑うことも多いと思います。
しかし、焦って重量を見栄で追うのではなく、軽い重量から丁寧な動作を体に覚え込ませていくことが、結果的に怪我を防ぎ、筋トレを長く続けることができます。
ぜひ今日からのメニューにビッグ5の筋トレを少しずつ取り入れて、あなた自身の理想の体と健康なライフスタイルを目指していきましょう!
おとFITNESSは、あなたの挑戦を全力で応援しています。

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