こんにちは。おとFITNESS運営者のOTOWAです。
筋トレをしていると、ひとつの部位に対してどれくらいメニューをこなせばいいのか、迷うことってありますよね。
筋トレ初心者の頃は種目をやりすぎて、疲労が抜けなかった経験がある人も多いはずです。
筋トレで一部位に何種目やるのが正解なのかは、初心者から上級者まで多くの人が抱える悩みです。
この記事では、現役パーソナルトレーナーの私が経験して学んできたことをもとに、怪我なく効率的に体を変えるための筋トレノウハウをまとめてみました。
- 筋トレは一部位に何種目行うのがいいのか
- トレーニングのやりすぎは逆効果である理由について
- 筋肥大を効率よく促すための適切なセット数と強度
- レベルに合わせた正しいメニューの組み方
筋トレは一部位に何種目行うのがいい?

まずは、筋トレにおいて、一つの筋肉に対してどのようにアプローチしていくべきか、その基本となる考え方を見ていきましょう。
目安となる種目数から、強度やセット数の設定まで順番に詳しく解説していきますね。
筋トレ初心者がやるべき種目数の目安は?
トレーニングを始めたばかりの頃や、ジムに入会して間もない時期は、「せっかくジムに来たんだから、置いてある色々なマシンを全部使わなきゃ!」と思ってしまうかもしれません。
周りの上級者が一つの部位に対して5種目も6種目もこなしているのを見ると、自分もそれくらいやらないと筋肉が成長しないのではないかと不安になりますよね。
ですが、基本的には一部位につき2〜4種目程度に収めるのが、長期的に見ても筋肉を成長させていくには、最も確実で効率的です。

なぜ種目数を絞るべきかというと、単一のトレーニング種目であっても、正しいフォームを維持するためにはたくさんの要素を同時にコントロールする必要があるからです。
例えば、下半身を鍛えるスクワット一つをとっても、バーを担ぐ位置、足幅、つま先の角度、胸の張り方、腹圧の維持、股関節と膝を曲げるタイミングなど、意識すべきポイントは山のようにあります。
これらを全て完璧にこなしながら動作を行うのは、非常に高度な運動制御能力を必要とします。
ここで、あれもこれもと手を広げてしまうと、どの種目も中途半端なフォームになり、狙った筋肉に適切な負荷が乗らなくなってしまいます。
ですのでまずは、「胸ならベンチプレスとダンベルフライ」「背中ならラットプルダウンとロウイング」のように、基本となる2〜3種目をじっくりとやり込むことから始めてみてください。
少ない種目数でも、フォームが洗練されていけば必ず体は変わっていきます。
最初の数ヶ月から1年程度は、筋肉そのものの成長よりも、「神経系の適応(筋肉をうまく動員する回路を作ること)」が最優先されます。全身をバランス良く鍛えられる3〜5種目の基本多関節種目(コンパウンド種目)に絞って動作を徹底的にマスターする方が、結果的に最短ルートで体を変えることができるかなと思います。
トレーニングのやりすぎは逆効果?

筋肉を大きくしたい、早く結果を出したいと思う気持ちはとても分かりますが、筋トレに関していえば、やりすぎは逆効果になる可能性が経験上高いです。
たくさん筋トレをすればするほど筋肉が成長すると錯覚しがちですが、疲労が蓄積して筋肥大のシグナルには繋がらない、またトレーニング後半には集中が切れて、無駄の多いセットになる可能性があります。
私たちの体は、集中力が切れた状態で何種目もこなせるようにはできていません。
疲労が限界を超えると、フォームは必然的に崩れていきます。
そうすると、本来メインで鍛えたかったはずの筋肉から負荷が逃げ、代わりに首や腰、肩の関節や靭帯に不自然なストレスが集中してしまいます。
これが慢性的な痛みや、思わぬ大きな怪我に直結する一番の原因なんです。
私も過去に、胸の日に6種目も詰め込んだ後、さらに腕のトレーニングも同じ日にやった結果、肩を痛めて数ヶ月まともにプレス種目ができなくなった経験があります。
さらに怖いのがハードトレーニングによる精神的、生理的なダメージです。
(出典:厚生労働省「健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023」情報シート)によると、健康づくりを目的に行う場合でも、筋トレの時間が長くなりすぎると逆効果となる可能性が示唆されています。
「休んだら筋肉が落ちてしまうのでは…」という不安から毎日ジムに通い詰める人もいますが、身体的な限界を超えたトレーニングは、筋肉を分解するストレスホルモン(コルチゾール)を過剰に分泌させます。これが慢性的な疲労感や不眠、パフォーマンスの低下を引き起こす「オーバートレーニング症候群」の引き金になります。2〜3週間完全にトレーニングを休んでも筋肉量はそう簡単に落ちないことが分かっています。勇気を持って「休むこと」も、立派なトレーニングの一部ですので覚えておきましょう。
※本記事で紹介する健康や安全に関する情報、および数値データはあくまで一般的な目安です。正確な情報は公式サイト等をご確認ください。また、痛みがある場合など最終的な判断は専門家にご相談ください。
一部位あたり何セット行うのが効果的?
種目数とあわせて絶対に押さえておきたいのが、週あたりのトータルセット数の管理です。
「1回のトレーニングで何セットやるか」よりも、「1週間の合計でその筋肉に対して何セット負荷を与えたか」という総ボリュームの方が、筋肉の成長において重要であると最新のスポーツ学では言われています。
ではどのくらいの総ボリュームを週ごとに行うのが理想なのでしょうか。
一般的には、各筋群あたり「週10〜20セット」の範囲が、最も効果的に筋肉を成長させると言われています。
| 1週間のセット数 | 得られる効果の目安 |
|---|---|
| 週5セット未満 | 現状維持、または極めてわずかな成長に留まる。 |
| 週5〜9セット | 着実に成長の軌道に乗り始める。初心者には十分な刺激量。 |
| 週10〜20セット | 筋肉の成長率が最大化されるボリューム。中上級者以上向け。 |
| 週20セット以上 | 疲労からの回復が追いつかず、オーバートレーニングのリスク大。 |
例えば、週に10セットを目標にする場合、月曜日に胸の種目を5セット、木曜日にまた別の胸の種目を5セット行うといった具合に振り分けます。
これなら1回のセッションあたりの疲労も少なく、常に質の高い動作を保つことができます。
ただし、体のすべての筋肉を同じセット数で鍛える必要はありません。
大腿四頭筋(太ももの前側)や広背筋といった人体の中でも特に大きな筋肉は、回復力も高くタフなため、週12〜20セットほどの多めのボリュームにも耐えられます。
一方で、上腕二頭筋(力こぶ)や上腕三頭筋(二の腕)のような小さな筋肉は、背中や胸のトレーニングの際にも間接的にかなり使われているため、単独で鍛えるセット数は週8〜14セット程度と少なめに設定するのが、バランスが良いかなと思います。

筋肉を限界まで追い込むには?
適切な種目数や週のセット数を緻密に計算して設定しても、1セットごとの「質」すなわちトレーニングの強度が低ければ、筋肉は現状維持のままで育ってくれません。
筋肉を大きくするためには、細胞に、「今のままの筋肉量じゃ重さに耐えられないから、もっと大きくならなきゃ!」と思わせるだけの強いシグナルが必要です。
ここでぜひ意識してほしいのが、「RIR(Repetitions in Reserve:余力、あと何回反復できるか)」という考え方です。
RIR 1〜2を目安にして疲労を管理する
毎回のセットで、「もうこれ以上1ミリも動かない」という完全な限界(オールアウトや潰れる状態)まで追い込むのが筋肉の成長には大切であると教わったことがあるかもしれません。
しかし、すべてのセットでそこまで追い込んでしまうと、筋肉よりも先に中枢神経系の疲労が激しくなり、次のセットで極端に回数が落ち込んでしまいます(1セット目で10回できたのに、2セット目でいきなり4回しかできなくなる等)。
結果として、その日のトータルのボリュームが大きく下がってしまうんです。
そのため、メインのセットでは、「限界まであと1〜2回はギリギリ挙げられそう」というRIR 1〜2のキツさで意図的に動作を終えるのがおすすめです。
そして、その種目の最終セットにおいてのみ、RIR 0(限界)までしっかり追い込むというスタイルをとると、トータルのボリュームと強い刺激を両立させやすくて効果的かなと思います。
また、この高い強度を維持するためには、セット間のインターバル(休憩時間)の管理も不可欠です。
「インターバルは1分以内がいい」という古い常識もありますが、大筋群の種目(スクワットやベンチプレスなど)においては、2〜5分ほどしっかり休憩を取る方が筋肥大効果が高いことが最新の研究で分かっています。
十分休むことで筋肉のエネルギー(ATP)が回復し、次のセットでも目標とする反復回数を落とさずにこなしやすくなりますよ。
1日に何種目こなすのが理想的?
「一部位あたり2〜4種目こなす」という基準は分かりましたが、では1日に複数の部位を鍛える場合、トータルで何種目くらいこなすのが理想的なのでしょうか。
結論から言うと、1日のワークアウト全体のトータル種目数としては、「6種目前後(セット数に換算して20〜25セット前後)」を上限とするのが、集中力を切らさず、質の高いトレーニングを行うための一つの目安になります。
人間の体は、高強度のレジスタンストレーニングを行う際、筋肉に蓄えられたグリコーゲン(糖質)をエネルギーとして消費します。
大体トレーニングを開始してから45分〜60分ほど経過すると、このエネルギー源が枯渇し始め、血糖値も下がり、疲労物質が蓄積してきます。

この状態でさらに種目を詰め込んでも、重い重量は扱えませんし、フォームはガタガタになります。
例えば、胸と三頭筋のトレーニングの日だとします。
「ベンチプレス、ダンベルフライ、インクラインプレス、ケーブルクロスオーバー」の4種目を各3セット(計12セット)行い、その後に「トライセプスエクステンション、プッシュダウン」の2種目を各3セット(計6セット)行う。
これでトータル6種目、18セットです。これだけでも1時間弱の非常に密度の濃いトレーニングになります。
これ以上、「まだやれる気がする」と種目を追加していくと、疲労の回復に悪影響を及ぼし、次回のトレーニングに響いてしまうので、この上限をしっかりと見極めることが、長く怪我なく筋トレを続けるための秘訣ですね。
筋トレは一部位に何種目?メニューの組み方は?

ここからは、これまでの理論を踏まえて、実際にジムでどのようなメニューを組めばいいのかシェアしていきます。
ご自身のレベルに合わせたボリューム調整や、効果的な種目の組み合わせ方など、明日のトレーニングからすぐに活かせる実践的な内容になっていますので、ぜひご参考ください。
レベル別に見る最適なメニュー構成は?
筋肉にどの程度の刺激を与えるべきかは、これまでのトレーニング経験年数によって大きく変わってきます。
初心者は新しい刺激に対して極めて敏感なので、少ないセット数でもおもしろいように体が反応してくれますが、何年もハードに鍛え込んでいる上級者は、筋肉が刺激に慣れきっているため、より複雑で高いボリュームの刺激が必要になってきます。
- 初心者(経験0〜1年):1筋群あたり週5〜10セット。一部位につき2種目程度で十分です。細かい部位ごとに分けるのではなく、全身を対象とした基本動作の習得を優先し、週2〜3回の頻度で「全身法」や「上半身・下半身分割法」を行うのがおすすめです。
- 中級者(経験1〜3年):1筋群あたり週10〜15セット。一部位につき3種目程度。初期の適応が完了し、成長を継続させるために段階的なボリュームの増加が必要です。「プッシュ(押す)・プル(引く)・脚」といった3分割法を取り入れ、週3〜4回の頻度で回していくのが効果的です。
- 上級者(経験3年以上):1筋群あたり週15〜20セット。一部位につき3〜4種目。筋肉の感受性が低下しているため、高ボリューム・高頻度のプログラム(週4〜6回)が必要になってきます。また、常に限界の高ボリュームを続けると体が壊れるため、数ヶ月に一度はセット数を半分以下に落とす「ディロード(積極的休養)週」を設けるなど、計画的な疲労抜きのテクニックが必須になります。
※これらの数値データはあくまで一般的な目安です。ご自身の回復力やその日の体調、ライフスタイルに合わせて無理なく設定してくださいね。
複数種目を組み合わせる分割法のコツは?

週に一部位10〜20セットを行う場合、それを1週間のスケジュールの中でどう分割するかが、筋肥大の効率を劇的に左右します。
よくある間違いとして、特定の1日にすべてのセットをまとめて実施してしまうやり方があります。
例えば、「月曜日は大胸筋の日!」と決めて、ベンチプレスからケーブルクロスオーバーまで胸だけで20セット一気にやり切り、残りの6日間は胸を一切休ませる、というアプローチですね。
これはボディビルダーなどが好む「ブロ・スプリット(部位別分割法)」と呼ばれるものですが、初心者トレーニーにとってはあまりおすすめできません。
なぜなら、筋トレの刺激によって筋肉の合成スイッチ(筋タンパク質合成=MPS)が入っても、その効果はトレーニング後およそ24時間〜48時間で完全に通常レベルに戻ってしまうからです。
ですので、筋トレ初心者の場合は、前回のトレーニングから期間が空きすぎないようにするために、各部位週2回ほど行うようにし、その代わり一回ごとのボリュームを5~10セットに調整するようにしましょう。
筋トレ効率を高める種目の組み合わせは?
一部位につき2〜4種目という限られた枠組みの中で筋肥大の効果を最大化するには、同じような動きの種目ばかりを繰り返すのではなく、関節の角度や筋肉が引き伸ばされる方向(刺激のベクトル)が違う種目を戦略的に組み合わせるのがポイントです。
例えば、筋トレの王様と呼ばれる「スクワット」は、太ももの前側(大腿四頭筋)やお尻(大臀筋)を効率的に鍛えることができますが、膝関節の動きの特性上、太ももの裏側(ハムストリングス)には十分な刺激が入りにくいという弱点を持っています。
そこで2種目目に、股関節のヒンジ動作(お尻を後ろに突き出す動き)に特化した「ルーマニアンデッドリフト(RDL)」を組み合わせます。
RDLはハムストリングスが強烈に引き伸ばされる種目なので、スクワットの弱点を見事に補完し、下半身の表裏を完璧なバランスで鍛え上げることができます。
筋肉の超回復を促すためには睡眠と栄養も意識

これまでジムの中での種目選びやセット数について語ってきましたが、筋肉はジムで重りを挙げている時ではなく、家に帰って食事をし、ベッドの上で深く眠っている時に作られています。
「トレーニング3割、食事と睡眠7割」と言っても過言ではありません。
どれだけ完璧な種目数とフォームで追い込んでも、睡眠不足が続けば、筋肉を分解してエネルギーを取り出そうとするホルモンの分泌が増え、筋肉の成長はストップしてしまいます。
また、筋肉の材料となる栄養素(特にタンパク質)の適切な供給も欠かせません。
ダイエットや減量中であっても、筋肉を落とさずに脂肪だけを削るためには、タンパク質、脂質、炭水化物のバランス(PFCバランス)を賢く保つことが求められます。
よく、「筋肉をつけるためには、とにかくジャンクフードでも何でも食べて体重を増やすダーティーバルクが必要だ」と思い込んでいる方がいますが、特に初心者や女性の場合は、ほんの少しのオーバーカロリー(+200〜300kcal程度)を良質な食事から摂るだけで十分に筋肉は育ちます。
とはいえ、現代の忙しいライフスタイルで毎食完璧な自炊をするのは難しいですよね。
私も忙しい時は、カップラーメンやジャンクフードを食べたくなることがあります。
そんな時は、ノンフライ麺のカロリーが低いものを選び、そこにプロテインシェイクやコンビニのゆで卵2個を追加してタンパク質を補うなど、「完璧じゃなくても、栄養不足を回避する」という柔軟なスタンスを持つことが、長くボディメイクを継続するコツかなと思います。
筋トレを効率化する食事に関してさらに詳しく知りたい方は、下の記事も合わせてこの機会にぜひご参考ください。

結論:筋トレは一部位何種目行うべき?

最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまで様々な角度から解説してきましたが、最終的に、「筋トレで一部位に関する種目数をどう設定すべきか」という問いに対しては、「1部位あたり2〜6種目を上限とし、質の高いセットを週に10〜20セットの範囲に収める」というのが、現状では最も理にかなった、科学的かつ実践的なトレーニング理論になるかなと思います。
多すぎる種目数は、フォームの崩れ、関節へのダメージ、そしてオーバートレーニングという負の連鎖しか生みません。
「あれもこれもやらなきゃいけない気がする」「もっと追い込まないと不安だ」という焦りや気持ちをグッとこらえ、本当に効果のある種目を厳選してください。
そして、その選んだ種目を、毎回のトレーニングで少しでも前回より重い重量で、あるいは1回でも多く持ち上げる(漸進性過負荷の原則)ことだけに全力を注いでみてください。
優れたトレーニングプログラムとは、可能な限りの種目をメニューに詰め込むことではなく、「何をやらないか」を見極め、無駄を削ぎ落とすことによって完成します。
洗練された正しいトレーニングこそが、あなたが目標とする理想の体を手に入れるための一番の近道です。
焦らず、自分のペースで、次回のトレーニングからぜひ意識して実践してみてくださいね。

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