こんにちは。おとFITNESS運営者のOTOWAです。ジムでトレーニングを続けているとムキムキの方が腰に太いベルトを巻いてスクワットをしている光景をよく見かけますよね。
あれっていつから巻くべきなんだろうとか、初心者の自分が使うと調子に乗ってると思われないかな、なんて不安はすごく分かります。
実はスクワットのベルトは、何キロからという明確なルールこそないものの、効果を最大化して、怪我を防ぐための適切なタイミングや目安は存在します。
この記事ではベルトの導入タイミングに関する疑問はもちろん、おすすめの選び方やベルトを着けるデメリットについても現役パーソナルトレーナーの私が詳しくお話ししていきますね。
- 体重や挙上重量に基づいたベルト導入の具体的な目安
- 初心者でも恥ずかしがらずにベルトを使うべきである安全上の理由
- ナイロン製と革製の違いや自分に合ったベルトの選び方
- 腰痛を防ぎパフォーマンスを高める正しい巻き方と呼吸法
スクワットのベルトは何キロから導入すべき?

「自分は初心者だからまだベルトなんて早い」と思っていませんか?ベルトを使い始めるタイミングに早すぎるということはありません。
ここでは、重量の数値的な目安だけでなく、身体の感覚やトレーニングの目的に応じた「導入すべきタイミング」について、バイオメカニクスの視点とトレーナーとしての私の経験を交えて詳しく解説していきます。
初心者はいつから使い始めるのが正解か
結論から申し上げますと、スクワットの重量が「ご自身の体重」と同じくらいの重さになったタイミングが、ベルト導入を検討すべき最初の大きな目安になります。
例えば、体重が60kgの方であれば、バーベルの重量が60kgに達したあたりですね。
なぜ「体重」が基準になるのかというと、自重(自分の体重)と同等の負荷を背中に担ぐようになると、脊柱(背骨)にかかる「圧縮力」や「剪断力(せんだんりょく)」といった物理的な負担が、日常生活のレベルを遥かに超えてくるからです。
私たちの背骨はS字カーブを描くことで衝撃を吸収していますが、体重以上の重りが上からのしかかると、ふとした瞬間のフォームの崩れが大きな怪我につながるリスクが急激に高まりますので、このくらいの重さを扱う場合はベルトは必須となります。
ただ「何キロだから使う」という明確なルールはないので、もしあなたが、過去に腰痛を経験したことがあったり、腰に少しでも不安を感じていたりするのであれば、重量に関わらずトレーニング初日からベルトを巻くようにしてください。
実際にパーソナルトレーナーとして、僕が担当するお客様には軽い重量でも種目によってはベルトをしてトレーニングしていただいてますが、初心者の方でも腰に違和感を覚える方は皆無です。
- スクワットの重量が自分の体重を超えたとき
- セットの終盤で疲れから背中が丸まりそうになるとき
- トレーニング翌日に筋肉痛とは違う「腰の違和感」があるとき
- 「お腹に力を入れる」という感覚がどうしても掴めないとき
特に最後にお伝えした「お腹に力を入れる感覚が分からない」という初心者の方こそ、ベルトを「正しいフォームを習得するためのツール」として早期導入しましょう。
ベルトがお腹に触れている感触(フィードバック)があることで、どこに力を入れれば良いかが直感的に理解できるようになり、結果としてフォームの習得が早まるケースも非常に多いです。
スクワットのベルトに効果がないと感じる理由
「意を決してベルトを買って巻いてみたけれど、重量も変わらないし、腰も別に楽にならない…これって効果なし?」と肩を落としてしまう方がいらっしゃいますが、これは非常にもったいないです。
ベルトの効果を感じられない場合、製品が悪いのではなく、使い方の認識に少しズレがあるケースがほとんどだからです。
最も多い原因は、ベルトを「腰を守る鎧(よろい)」や「コルセット」だと思い込んでしまっていることです。
医療用のコルセットは、患部を動かさないようにガチガチに固定して安静を保つためのものですが、トレーニングベルトの役割は全く異なります。
トレーニングベルトは、巻くだけでは10%程度の力しか発揮しません。残りの90%は、あなた自身が「お腹を膨らませてベルトを内側から猛烈に押し返す」という能動的なアクションを起こすことで初めて発揮されます。
もし効果を感じられないなら、以下のポイントをチェックしてみてください。
まず、ベルトが緩すぎませんか?息を吸ってお腹を膨らませた時に、ベルトが強く反発してこなければ意味がありません。
逆に、締めすぎていませんか?ギチギチに締め上げると、そもそも息を吸ってお腹を膨らませるスペースがなくなり、腹圧を高めることができなくなってしまいます。
- 位置のズレ: ベルトが肋骨の上に乗っかっているだけ、あるいは骨盤の下すぎると、腹部を圧迫できず効果がありません。
- 呼吸の不一致: 息を吐きながらしゃがんでいませんか?正しくは「吸って止めて」しゃがみます。
- 他力本願: ベルトに「支えてもらう」のではなく、ベルトを「破壊するつもりで押し広げる」意識が不足していませんか?
ですので、「ベルトをしているから安心」という受け身の姿勢ではなく、「ベルトを使って自分の出力を高める」という攻めの姿勢に切り替えるだけで、バーベルがさっきよりも軽く感じるようになるはずです。
腹圧を高める効果と正しいメカニズム

ここでは、なぜベルトを巻くと重いものが持てるようになるのか、その科学的なメカニズムについてもう少し深く掘り下げてみましょう。キーワードは間違いなく「腹腔内圧(IAP:Intra-Abdominal Pressure)」です。
私たちの胴体(体幹部)を見てみると、背中側には「脊柱(背骨)」という太い柱がありますが、お腹側には骨がありませんよね。肋骨と骨盤の間は、筋肉と内臓しかない空洞のような構造になっています。
重いバーベルを担いだ時、この空洞部分が潰れてしまうと、背骨が曲がり(猫背になり)、腰に強烈な負担がかかってしまいます。
そこで重要になるのが「腹圧」です。横隔膜を下げてお腹の中に空気を溜め込み、その圧力を高めることで、お腹の内側からパンパンに張った状態を作ります。
イメージとしては、未開封の缶ジュースやお菓子の袋のようなものです。中身が詰まって圧力がかかっていると、外から押しても潰れませんよね。この「内圧による支え」を身体の中に作り出すのです。
トレーニングベルトは、この腹圧を物理的に強化させるためのアイテムです。
お腹を膨らませようとする力に対し、伸びない素材のベルトが外側から「待った」をかけます。内側からの膨張力と、外側からの拘束力がぶつかり合うことで、行き場を失った圧力が中心に向かって高まり、腹腔内の圧力が飛躍的に上昇します。
バイオメカニクスの研究において、適切にベルトを使用して腹圧をかけた場合、使用していない時に比べて腹腔内圧が25%〜40%も上昇することが報告されています。この高まった圧力が脊柱を身体の前側から支える空気の柱となり、腰椎への負担を軽減しつつ、下半身のパワーをロスなくバーベルに伝えることを可能にします。
(出典:PubMed “Effect of lifting belts on trunk muscle activation”)
また、ベルトが腹筋群の活動を低下させて「サボらせる」という説がありますが、多くの筋電図(EMG)研究では、むしろベルトを押し返すために腹直筋などの活動量が増加するという結果も出ています。
つまり、ベルトは筋肉の代わりをするのではなく、筋肉の活動効率を高めるための「増幅器(アンプ)」のような役割を果たしています。
恥ずかしい気持ちを捨てて安全を優先する
「まだスクワットで100kgも挙がらないのに、いっちょ前にベルトなんて巻いたら笑われるんじゃないか…」「ガリガリの自分が装備だけ整えても恥ずかしいだけだ」
そんなふうに考えて、ベルトの購入や使用を躊躇してしまう気持ち、本当によく分かります。ジムという場所は、どうしても周りの目が気になってしまう特殊な空間ですよね。
ですが、ここで声を大にしてお伝えしたいのは、「怪我をしてトレーニングができなくなることの方が、一時的な恥ずかしさより何百倍も損失が大きい」ということです。
もし無理をして腰を痛めてしまったら、スクワットどころか日常生活にも支障をきたし、大好きなトレーニングを数ヶ月、あるいは年単位で休まなければならなくなります。
それは、あなたの理想の身体づくりへの道のりが、その期間完全にストップすることを意味します。
実際のところ、ジムにいる上級者やマッチョな方々は、初心者がベルトをしていることに対してどう思っているのでしょうか?
私の経験や多くのトレーニーの声を聞く限り、「生意気だ」なんて思う人はまずいません。むしろ、「あの方はしっかりと安全管理をしているな」「怪我の怖さを知っている賢い人だ」と、好意的に見ていることがほとんどです。
トレーニングで重要なのは、どれだけ重いものを持ち上げたかではなく、どれだけ怪我なく継続できたかですので、変なプライドはなくして、安全のためにベルトを使用しましょう。
ちなみに当ブログを運営している私は、スクワットに限らず、どの種目でもベルトを着けてトレーニングしています。
スクワットベルトは女性の場合、何キロから必要?選び方は?

ここからは、女性トレーニーの場合も、ベルトは必要かどうか、というよくあるご質問と、実際にベルトを購入する際の「選び方」について解説します。
女性は何キロからベルトを使うべきか
私は職業柄、女性トレーニーの方や女性のお客様からも「私はそんなに重いものを持たないからベルトはいらないですよね?」という質問をよく頂きますが、答えは「いいえ」です。
女性であっても、スクワットで自分の体重以上の負荷を扱うなら、ベルトの使用を強くおすすめします。
特に女性は、男性に比べて関節が柔らかい(柔軟性が高い)傾向があり、生理周期などによって靭帯が緩みやすい時期もあります。
そのため、腰の安定性を確保するために、男性よりも少し早めの段階、例えば「体重の80%程度の重量」からベルトを導入しても全く問題ありません。
ただし、女性がベルトを選ぶ際には、男性とは違った注意点があります。それは「ベルトの幅」と「肋骨までの距離」の問題です。
一般的なパワーベルトは幅が10cm(4インチ)ほどありますが、小柄な女性や、肋骨と骨盤の距離(トルソー)が短い方の場合、スクワットで深くしゃがんだ時にベルトの上端が肋骨に、下端が骨盤にガツンと当たってしまい、激痛が走ることがあります。これではトレーニングどころではありません。
女性のベルト選びのポイントは、下記を参考にされてください。
- テーパー形状を選ぶ: 背中側は広く、お腹の前側が細くなっているデザインのベルトです。これなら前傾姿勢になっても肋骨やお腹に干渉しにくく、快適に動作を行えます。
- 適切なサイズ選び: 海外ブランドのSサイズでも、日本人女性には大きすぎて「一番きつく締めてもブカブカ」ということがよくあります。XSサイズやXXSサイズ(ウエスト50cm〜)を展開しているSchiek(シーク)やHarbinger(ハービンジャー)などのブランドを確認しましょう。
- 素材の柔らかさ: 最初は肌当たりの柔らかいナイロン製やネオプレン素材から始めると、肋骨への当たりが優しく、痛みが出にくいのでおすすめです。
おすすめのベルト素材と選び方の基準

トレーニングベルトには大きく分けて「ナイロン製」と「革製(レザー)」の2種類が存在し、それぞれ推奨される重量帯やユーザー層が異なります。自分の現在のレベルと、今後目指したい目標に合わせて選んでいきましょう。
1. ナイロン製(ベルクロ・マジックテープ式)
布製で軽く、マジックテープで固定するタイプです。身体のラインに柔軟にフィットするため、着け心地が良く、動きやすいのが最大の特徴です。
そのため、女性や初心者の方の場合は、まずナイロン製のベルトから導入するとよいでしょう。
- 推奨レベル: 初心者 〜 体重相当の重量(例:スクワット40kg〜80kg程度)
- メリット: 肋骨や腰骨が痛くなりにくい。折りたたんでカバンに入れられるので持ち運びが楽。ミリ単位で締め付け具合を調整できる。
- デメリット: 革製に比べると固定力(ホールド感)は劣る。高重量(100kg超〜)になると、腹圧に耐えきれずマジックテープがバリッと剥がれるリスクがある。
2. 革製(レザー・ピン式/レバー式)
本格的なトレーニングには欠かせない、分厚くて硬い革で作られたベルトです。厚みは一般的に10mmと13mmがあります。
- 推奨レベル: スクワット100kg以上、または体重の1.5倍を目指す中級者以上
- 10mm厚: 最も標準的で汎用性が高い厚さです。適度な柔軟性がありながら十分なサポート力があるため、初めて革ベルトを買うならこのサイズが最適解です。
- 13mm厚: パワーリフティング競技などで使われる極厚仕様です。鉄板のように硬く、強力な反発力を生みますが、身体への食い込みも激しく、扱いには慣れが必要です。初心者がいきなり手を出すと痛くて使わなくなる可能性があります。
もしあなたが男性で、「これから本気でスクワットを強くしていきたい」「いつかは100kgを挙げたい」という明確な目標があるなら、最初から10mm厚の革ベルトを購入してしまうのも良い投資です。
革ベルトは適切に使えば10年以上持つ一生モノの相棒になりますよ。実際に私も普段のトレーニングで、10mmの革ベルトを使用しています。
正しい巻き方と位置
最高級のベルトを手に入れても、巻き方や位置が間違っていては、その効果は半減どころかゼロになってしまいます。ここでは、多くの人が悩みやすいベルトの「位置」と巻く「強さ」について解説します。
装着位置(ポジショニング)の微調整
基本の位置は「おへその高さ」を中心に、肋骨の下端と骨盤の上端(腸骨稜)の間に収めるのがセオリーです。しかし、人間の骨格は千差万別です。
特にスクワットの場合は、深くしゃがんだ時(ボトムポジション)に、ベルトの下端が太ももの付け根(鼠蹊部)に挟まらない位置を探る必要があります。
もししゃがんだ時にベルトが足の付け根に刺さって痛い場合は、指1本分だけベルトの位置を高くしてみてください。
逆に、肋骨に当たって苦しい場合は少し下げるなど、自分にとって「痛みがなく、かつ力が入りやすいスイートスポット」を見つけるまで、何度も試行錯誤することが大切です。
締め付けの強さの重要性
ここは最も誤解が多いポイントです。「苦しいくらいきつく締めれば締めるほど腰が守られる」と思っていませんか?それは大きな間違いです。
ベルトを限界まできつく締め上げると、息を吸おうとしてもベルトが邪魔をして、お腹を膨らませるスペースが全くなくなってしまいます。これでは十分な腹圧を生み出すことができません。
正解は、「息を大きく吸ってお腹を7〜8割ほど膨らませた状態で、ベルトと身体の間に指が1本ギリギリ入る(あるいは手のひらがねじ込める)程度の隙間」を作ることです。
このわずかな「遊び」があることで、いざ本番で息を吸って全力でお腹を膨らませた時に、ベルトにガツンと接触し、その反動で強力な腹圧が生まれるのです。
苦しすぎて顔が赤くなるような締め方は、血圧を上げるだけで逆効果だと覚えておいてください。
また呼吸法も一緒に
ベルトを正しく巻いたら、動作の前に息を鼻から大きく吸い込み、お腹周り360度(前だけでなく横も後ろも)をベルトに押し付けるように強く力を入れます。「お腹をパンチされる瞬間に耐える」あの感覚です。このカチカチに固まったお腹(ブレーシング)をキープしたまましゃがみ、立ち上がってから息を吐きます。
ベルトが痛い場合やあざへの対策
「憧れの革ベルトを買ったけど、痛すぎてスクワットに集中できない…」「トレーニングが終わってシャワーを浴びようとしたら、脇腹にどす黒いあざができていた」
これは革製ベルト、特に新品の硬いベルトを使い始めたトレーニーが必ずと言っていいほど直面する問題です。
革は使い込むほどに汗や体温で柔らかくなり、持ち主の身体の形に馴染んでいくものですが、そこに至るまでには少し時間がかかります。
痛みを軽減し、早くベルトを馴染ませるための対策をいくつかご紹介します。
- 革を強制的に育てる: 新品のベルトは板のように硬いです。使用前に手で何度も丸めたり、逆方向に反らせたり、足で踏んで揉みほぐしたりして、繊維をほぐしてあげましょう。革製品専用のミンクオイルなどを塗って保湿するのも、革を柔らかくするのに有効です。
- 位置をミリ単位でズラす: あざができる場所は、ベルトが骨や皮膚に強く当たっている証拠です。痛い場所を避けるように、ベルトの位置をほんの数ミリ上下させるだけで、痛みが消えることがあります。
- ウェアでクッションを作る: ベルトが直接肌に触れると摩擦で火傷のようになります。必ずウェアの上から着用しましょう。痛みがひどい時期は、厚手のコットンのTシャツを着たり、ベルトの下(痛い部分)にハンドタオルを一枚挟んだりして、物理的なクッションを作るのが即効性のある対策です。
また、あざができる原因として「フォームの乱れ」も考えられます。例えば、スクワットでしゃがむ時に上半身が過度に前傾しすぎていると、ベルトがお腹のお肉や骨を挟み込みやすくなります。
ベルトの痛みは「フォームが崩れているよ」という身体からのサインかもしれないと捉え、姿勢を見直すきっかけにしてみるのも良いでしょう。
ベルトのデメリットや腰への依存リスク

ここまでベルトのメリットばかりをお伝えしてきましたが、道具には必ずデメリットやリスクも存在します。これらを正しく理解し、適切に管理することで、より安全なベルト運用が可能になります。
血圧が急上昇するリスク
ベルトを巻いて強く息む「バルサルバ法(息ごらえ)」を行うと、一時的に血圧が急激に上昇します。収縮期血圧が300mmHgを超えることもあると言われており、これは血管や心臓に大きな負担をかけます。
高血圧の持病がある方、動脈瘤のリスクがある方、心臓に不安がある方は、医師に相談の上、ベルトの締め付けを弱くするか、息を止めずに「吐きながら挙げる」呼吸法を選択するなど、慎重な対応が必要です。
ベルトへ依存しすぎる可能性がある
「ベルトがないと重い物が持てない」「ベルトを忘れた日はトレーニングをする気になれない」といった心理的依存に陥ることは避けなければなりません。
常にベルトに頼りきりだと、本来人間が持っている「天然のコルセット(腹横筋などのインナーマッスル)」を動員する能力が鈍ってしまう可能性があります。
これを防ぐためには、メインセット(高重量)ではしっかりベルトを使いつつ、ウォーミングアップの軽い重量セットではあえてノーベルトで行い、自力で腹圧を高める練習を取り入れるのがおすすめです。
「ベルトはあくまで補助ツールであり、主役は自分の筋肉である」という意識を忘れないようにしましょう。
スクワットの1セットが終わったら、インターバル(休憩)中は必ずベルトを緩めるか外してください。締め付けたまま休憩すると、血流が阻害されたままになり、酸欠や立ちくらみを引き起こす原因になります。
結論:スクワットのベルトは何キロから使うか
最後に、これまでの内容を総括して、あなたのレベルに合わせたベルト導入のロードマップを提示します。迷った時はこの表を参考にしてみてください。
| フェーズ | 重量目安 | 推奨ベルト | 導入の目的と意識 |
|---|---|---|---|
| 導入期 (初心者) |
体重相当まで (例: 〜60kg) |
ナイロン製 (ベルクロ式) |
まずは「お腹を膨らませて物に当てる」感覚を養う時期。痛みが出にくいナイロン製でフォーム作りを優先。 |
| 成長期 (中級者) |
100kg 〜 体重の1.5倍 |
革製 (10mm厚) |
本格的な筋肥大と筋力アップを目指す時期。10mm厚の革ベルトで脊柱を保護しつつ、記録更新に挑戦。 |
| 熟練期 (上級者) |
体重の1.5倍以上 〜無制限 |
革製 (13mm厚) |
競技パフォーマンスの最大化。極限重量での怪我リスクを物理的に抑え込むため、最強度のギアを使用。 |
「何キロから」という数字はあくまで目安に過ぎません。
大切なのは、あなた自身の身体の調子です。「腰に少し不安があるな」「もっと安定させてしゃがみたいな」と感じたその時こそが、あなたにとってのベストなベルト導入タイミングです。
ベルトは決して「甘え」ではなく、長く健康にトレーニングを続けるための「賢い選択」です。正しい知識と自分に合ったベルトを味方につけて、安全で楽しいスクワットライフを送ってくださいね!

コメント