こんにちは。おとFITNESS運営者の「OTOWA」です。
「筋トレは1種目5セットやるのが基本」そんな言葉を信じて、毎日ジムでハードなトレーニングに励んでいるあなた、その努力は本当に素晴らしいです。
でも、心のどこかでこんな不安を感じていませんか?
「こんなに頑張っているのに、思ったように筋肉がつかない」「常に体が重くて、次のトレーニングまでに疲れが抜けない」と。
実はその「頑張り」こそが、皮肉にも筋肉の成長を停滞させている最大の原因かもしれないんです。
筋トレのセット数に関してネットでは、3セット推奨派と5セット推奨派が入り乱れていて、結局何が正解なのか分からなくなってしまいますよね。
そこで本記事では、あなたの貴重な時間と労力を無駄にしないために、生理学的な根拠と最新のトレーニング理論に基づいて、筋トレを5セットするのは本当に正しいのかについて、徹底的に解き明かしていきます。
この記事を読み終える頃には、あなたのトレーニングメニューが劇的に効率化されることをお約束します!
- 筋トレを5セット行うことはやり過ぎなのかについて
- 筋肉を効率よく成長させるための週単位の頻度とボリュームについて
- 減量期や停滞期など、状況に応じた最適なセット数の調整方法について
- 忙しい人でも短時間で最大の効果を出すための具体的な時短トレーニング法
筋トレは5セットだとやり過ぎ?効果と真実

多くのトレーニーが陥りがちな罠、それが「多ければ多いほど良い」というボリューム信仰です。
確かに、筋肉を大きくするためには一定以上の刺激が必要ですが、それには明確な「限界点」が存在します。
ここでは、なぜ5セットが「やり過ぎ」と判断される場合があるのか、その科学的な背景とリスクについて、専門的な話を噛み砕いて解説していきます。
ジャンクボリュームとは?

皆さんは「ジャンクボリューム(Junk Volume)」という言葉をご存知でしょうか?
直訳すると、「ゴミのような量」という強烈な言葉ですが、フィットネス業界では、「疲労を蓄積させるだけで、筋肥大や筋力向上には全く寄与しない無駄なトレーニング」を指します。
なぜ5セットがジャンクボリュームになりやすいのでしょうか。
その鍵は、「中枢性疲労」と「有効レップ」という2つのキーワードにあります。
まず、筋トレの効果が最も高いのは、限界ギリギリの最後の数回(有効レップ)です。
1セット目や2セット目は、まだ元気があるので、しっかりとこの有効レップを稼ぐことができます。
しかし、3セット、4セットと重ねるごとに、筋肉の中に疲労物質が溜まるだけでなく、脳から筋肉への神経伝達が鈍っていきます。
これが、「中枢性疲労」です。
この状態になると、筋肉自体にはまだエネルギー(グリコーゲン)が残っているのに、脳が「これ以上強い力を出すな!」とブレーキをかけてしまいます。
その結果、5セット目を必死に頑張っているつもりでも、実際には速筋繊維(大きくなりやすい筋肉)がほとんど動員されず、ただ辛いだけの有酸素運動に近い状態になってしまうのです。
もしあなたが、インターバルを挟んでも息が整わなかったり、明らかに1セット目より重量や回数がガクンと落ちているのに無理やり5セットを行っているなら、その後半のセットは、筋肉を成長させるどころか、回復に必要なエネルギーを無駄遣いし、コルチゾールという、筋肉を分解するホルモンを分泌させるだけの「ジャンク」になっている可能性が極めて高いと言えます。
「やった感」や「達成感」は得られますが、それは筋肉の成長とは別物です。疲労という代償だけを払い、成果という商品を受け取れていない状態、それがジャンクボリュームの正体なのです。
筋トレのセット数に関する論文の結論について
「感覚論はわかったけど、科学的な証拠はあるの?」と思われるかもしれません。
セット数と筋肥大の関係については、世界中で今も数多くの研究が行われています。
過去のスポーツ科学の定説では、ボリューム(総負荷量)が増えれば増えるほど、筋肥大効果も高まると考えられていました。
しかし、最新のメタアナリシス(複数の研究結果を統合して分析した信頼性の高い研究)では、ボリュームと効果の関係は単純な比例直線ではなく、「逆U字型」の曲線を描くことが示唆されています。

つまり、ある一定のセット数までは効果が上がっていきますが、頂点(スイートスポット)を過ぎると効果は頭打ちになり、そこからさらにセット数を増やすと、オーバートレーニングによって効果が下がってしまうというものです。
具体的に興味深い研究例を挙げましょう。
ドイツ発祥の高ボリュームプログラム「ジャーマン・ボリューム・トレーニング(GVT)」に関する研究です。
このプログラムでは1種目10セットを行うのですが、研究チームが「10セット行うグループ」と「5セット行うグループ」を比較調査したところ、なんと5セットグループの方が筋力向上と筋肥大において優位、あるいは同等の結果が出たという報告があります。
(出典:PubMed『Effects of a 12-Week Modified German Volume Training Program on Muscle Strength and Hypertrophy』)
10セットもやったのに、5セットの人たちに負けてしまう。これは衝撃的ですよね。
この研究結果は、1回のセッションで筋肉に与えられる有効な刺激には上限(シーリング)があり、それを超えて行うセットは、まさに前述したジャンクボリュームになってしまうことを科学的に裏付けています。
一般的に、1回のトレーニングセッションにおいて、同一部位に対して効果的なのは6〜8セット程度までという説が有力です。
もしあなたが、ベンチプレス5セット、インクラインプレス5セット、ダンベルフライ5セットと、胸だけで合計15セットも行っているとしたら、後半の種目は、ほとんど無意味になっている可能性が高いのです。
筋肥大に最適な週単位のボリュームは?

セット数を考える時、多くの人が「今日何セットやるか」ばかりを気にしがちですが、実はもっと大切な視点があります。
それは、「1週間単位で合計何セットやるか」という考え方です。
筋肥大を最大化させるためのボリュームの目安として、「MAV(Maximum Adaptive Volume:最大適応ボリューム)」という概念があります。
個人差はありますが、一般的に1つの部位に対して週に10セット〜20セットが、筋肥大に最も効果的なレンジだとされています。
この「週10〜20セット」という数字をどう配分するかが、トレーニングプログラム作成の肝になります。
例えば、あなたが「週に1回」しかジムに行けないとします。その場合、その1回のトレーニングで胸を5セットしかやらなかったらどうなるでしょうか?
週合計が5セットにしかならず、MAV(10セット以上)の下限にも達しません。
これでは、筋肥大を最大化するには、「少なすぎる(刺激不足)」という判定になります。
逆に、週に3回ジムに行ける人が、毎回胸を5セットやったらどうでしょう。
3回×5セットで、週合計15セット。これはMAVの範囲内に綺麗に収まります。
つまり、同じ「1回5セット」というメニューでも、それを週に何回行うかによって、「少なすぎる」のか「適正」なのか、はたまた「やり過ぎ」なのかが全く変わってくるのです。
筋肉の合成感度が高まっている時間は、トレーニング後約24〜48時間と言われています。週1回でまとめて20セットやるよりも、週2〜3回に分けて合計20セットやる方が、常に筋肉合成スイッチがオンの状態をキープできるため、筋肥大には有利だと言われています。
自分に合った筋トレのセット数の決め方は?

「じゃあ結局、私には何セットが合っているの?」という疑問にお答えしましょう。
正解は、あなたの「トレーニング歴(習熟度)」と「扱える重量」によって決まります。
初心者の方(トレーニング歴1年未満)
筋トレを始めたばかりの方にとって、「5セット法(8回×5セットなど)」は非常に優れたプログラムになり得ます。
初心者は神経系が未発達で、1回や2回のセットでは筋肉を完全に使い切る(オールアウトする)ことができません。
また、フォームも安定していないため、反復練習が必要です。
ここで、「5セット」という多めの量をこなすことで、練習量を確保しつつ、出力の低さをボリュームでカバーすることができます。
使用重量もまだ軽いため、関節への負担も少なく、5セットやっても回復が追いつくのです。
中級者以上の方(トレーニング歴1年以上)
トレーニングを続けて重量が伸びてくると状況は一変します。
スクワットで自分の体重の1.5倍や2倍を扱えるようになると、1セットあたりの身体へのダメージが桁違いに大きくなります。
このレベルの人が、初心者と同じ感覚で、「とりあえず5セット」を行うと、3セット目あたりで全身のエネルギーが枯渇し、関節へのダメージも蓄積し、次のトレーニングまでに回復しきれない「オーバートレーニング」の状態に陥りやすくなります。
中級者以上は、「量より質」への転換期です。
セット数を3セット程度に抑え、その分、1セット1セットの集中力と強度を高める方が、結果的に筋肉は成長しやすくなります。
3セットと5セットの違いと選び方は?
ここでは、代表的な「3セット法」と「5セット法」の違いを、様々な角度から比較してみましょう。
自分のライフスタイルや目的に合わせて選ぶ際の参考にしてください。
| 比較項目 | 3セット法(標準) | 5セット法(高ボリューム) |
|---|---|---|
| 時間効率(タイパ) | 非常に高い。 忙しい社会人に最適。 |
低い。 インターバル含め時間がかかる。 |
| 疲労の蓄積度 | 中程度。 高頻度(週3〜4回)で回せる。 |
非常に高い。 次の部位トレまで長い休息が必要。 |
| 筋肥大効果 | 効率的(8割の効果)。 コスパが良い。 |
最大化を狙える(残り2割)。 ただしジャンク化のリスクあり。 |
| 向いている人 | 減量中の人、中上級者、 時間が限られている人。 |
増量中の人、初心者(フォーム習得)、 学生など時間がある人。 |
経済学に、「収穫逓減(ていげん)の法則」というものがありますが、筋トレも同じです。
1セット目から3セット目までは、やるごとにグングン効果が積み上がります。
しかし、4セット目、5セット目となると、そこから得られる追加の効果はわずかになり、逆に疲労というコストだけが急激に増えていきます。
「完璧を求めて5セットやり遂げてボロボロになる」か、「賢く3セットで切り上げて、フレッシュな状態で次のトレーニングに備える」か。
長期的に見てどちらが継続可能で、怪我のリスクが少ないかを考えると、多くの場合、3セット法に軍配が上がることが多いです。
筋トレ5セットはやり過ぎ?停滞を打破するには?
もしあなたが今、「5セットのプログラムをこなすのが辛い」「最近、重量が伸びないし体も変わらない」と感じているなら、それは体が発している「やり過ぎ(オーバーリーチング)」のサインです。
ここでは、そんな停滞期を打破し、再び成長軌道に乗せるための具体的な対策を紹介します。
週10セットを目安にする分割法を活用する

先ほどの「週に10〜20セットが最適」という話を思い出してください。
これを達成するために、1日で無理やり詰め込むのではなく、「分割」と「頻度」をうまく活用するのが賢い戦略です。
例えば、これまでの「週1回、胸の日に15セット(3種目×5セット)」というメニューを見直してみましょう。
これを「週2回」に分割するのです。
- 月曜日(上半身の日A):ベンチプレス 4セット、ダンベルフライ 3セット(計7セット)
- 木曜日(上半身の日B):インクラインプレス 4セット、ケーブルクロス 3セット(計7セット)
このように分けると、1回の胸トレーニングは7セットで済みます。
これなら、最後まで集中力を切らさずに、すべてのセットで全力を出し切れますよね。
しかも、週合計では14セットとなり、しっかりと筋肥大に十分なボリュームを確保できます。
さらに、筋肉に刺激が入る回数が週1回から週2回に増えるため、筋タンパク質の合成機会が倍増します。
トータルのセット数は同じ(あるいは少し減った)としても、分割して頻度を高めることで、結果的に筋肥大のスピードが加速するケースは非常に多いのです。
減量期はボリュームを落として強度を維持する

多くの人が間違いやすいのが、「減量期」のトレーニングです。
「脂肪を落としたいから、セット数を増やして消費カロリーを稼ごう」「軽い重量で回数を多く(5セットなど)やって引き締めよう」と考えていませんか?
はっきり言いますが、これは筋肉を減らしてしまう最悪の選択になりかねません。
減量中は、食事制限によってエネルギー(カロリー)が不足しています。
つまり、体の回復能力が通常時よりも大幅に低下している状態です。
そんな時に、増量期と同じかそれ以上の「5セット」なんていう高ボリュームを行ったらどうなるでしょうか。
体は回復しきれず、ストレスホルモン(コルチゾール)が大量に分泌され、エネルギーを作るために筋肉を分解し始めてしまいます。
減量期に筋肉を守るために重要なのは「高重量(強度)」です。「重いものを持ち上げる必要がある」と体に認識させ続けることが重要です。セット数は「維持ボリューム(MV)」と呼ばれるレベル、つまり週に1部位あたり6〜8セット程度まで落としても、強度が保たれていれば筋肉は維持できます。減量中は勇気を持ってセット数を減らし、その分、使用重量を絶対に落とさないという気概で挑みましょう。
停滞期はセット数よりも強度を高めよう
人間は適応する生き物です。
ずっと同じ「5セット」を繰り返していると、筋肉はその刺激に慣れてしまい、成長反応を示さなくなります。
これを「特異的適応」と言います。
この停滞を打破するために、安易にセット数を増やして解決しようとするのは危険です。
先のジャンクボリュームを増やすだけになりがちだからです。
ではどうするか?
答えは、「刺激の種類を変えて、密度を高める」ことです。
例えば、セット数を3セットに減らす代わりに、以下のような方法を導入してみましょう。
- ドロップセット:限界まで挙げたら、すぐに重量を20%ほど落として、休憩なしでさらに限界まで挙げる。
- フォースドレップ:限界が来たら、補助者(または自分の反対の手)に少しだけ力を借りて、無理やりあと2〜3回挙げる。
- ネガティブ重視:挙げる時は普通に、下ろす動作(伸張局面)を3〜5秒かけてゆっくりと耐える。
これらのテクニックを使えば、少ないセット数でも、筋肉を完全にオールアウトさせることができます。
マンネリ化した筋肉に、「なんだこの新しい刺激は!?」というショックを与えることが、停滞期脱出の鍵となります。
レストポーズ法で短時間で追い込もう

「仕事が忙しくてジムに長く滞在できない」「でも5セット分くらいの効果は欲しい」
そんな欲張りなあなたに、私が最もおすすめしたいのが、科学的にも効果が証明されている時短メソッド「レストポーズ法」です。
通常のストレートセットでは、1セット終わるごとに2〜3分の長い休憩を取りますよね。レストポーズ法では、この休憩を極端に短くします。
具体的なやり方は以下の通りです。
- まず、ある重量で限界まで挙上します(例えば10回)。
- ウェイトを置いて、深呼吸をしながら20秒(10〜15呼吸)だけ休憩します。これが「レストポーズ」です。
- すぐに同じ重量で再開し、再び限界まで挙げます(疲れているので3〜5回くらいしか挙がりません)。
- また20秒休憩し、再開して限界まで…。これを合計回数が目標に達するか、全く挙がらなくなるまで繰り返します。
この方法の凄いところは、1セット目の最初以外、すべてのレップが、「有効レップ(筋肥大に効果的な高強度のレップ)」になるという点です。
通常の5セット法なら30分かかるところを、レストポーズ法なら5分程度で完了でき、しかも得られる代謝ストレスや筋繊維の動員率は、同等以上だと言われています。
時間がなくて焦りながら適当に5セットこなすくらいなら、このレストポーズ法でサクッと、かつ強烈に追い込む方が、精神衛生的にも筋肥大効果的にも遥かに優れています。
結論:筋トレの5セットはやり過ぎ?
最後に、今のあなたの「5セット」という設定が、現在のあなたの体にとって適正なのか、それとも「やり過ぎ(オーバーワーク)」への片道切符なのかを見極めるためのセルフチェックリストを用意しました。
以下の項目に2つ以上当てはまる場合は、セット数を減らすことを強く推奨します。
- 重量の低下:前回のトレーニングよりも扱える重量が落ちている、または同じ回数が挙がらない。
- パンプ感の消失:トレーニング中に筋肉が熱く張る感覚(パンプ)が得られない。ただ痛いだけ。
- 持続する疲労感:しっかり寝たはずなのに、朝起きても体の芯に疲れが残っている。
- 意欲の減退:ジムに行くのが楽しみではなく、「行かなきゃいけない」という義務感や苦痛に変わっている。
- 関節の違和感:筋肉痛とは違う、関節の奥の方にズキズキとした痛みや違和感がある。
トレーニングの目的は、セット数をこなして自己満足に浸ることではありません。
鏡を見た時に、「体が変わったな」と実感することのはずです。
「5セット」という数字はあくまで一つの目安であり、絶対的な正解ではありません。
自分の体の声に耳を傾け、時には勇気を持ってセット数を減らすことこそが、最短距離で理想の体を手に入れるための賢い選択なのです。

コメント