こんにちは。おとFITNESS運営者のOTOWAです。
筋トレの5分割法は、プロのボディビルダーや有名筋トレ系youtuberでも取り入れている方も多いトレーニング方法で、身体の部位を細かく分けることで、しっかりと毎回の筋トレで極限まで追い込むことが可能です。
しかし、この5分割法は一般のトレーニーが実践しようとすると、デメリットも多いトレーニング方法なんです。
この記事では、そんな5分割法に関して、皆さんの疑問や不安に寄り添い、生理学的な観点や疲労管理の面からデメリットを、現役パーソナルトレーナーの私がお伝えしていきたいと思います。
また、記事の後半では筋トレ初心者におすすめのルーティンもご紹介しますので、最後まで読んでいただければ、ご自身のライフスタイルに最適なトレーニング方法やメニューの組み方が見つかるかなと思います。
- 5分割法のデメリットについて
- 筋トレ初心者には5分割法が向いてない理由
- 5分割法を採用する際のポイントについて
- ご自身のレベルや生活習慣に合わせた最適な分割法の選び方
筋トレで5分割にするデメリットは?

5分割法は、特定の筋肉を極限まで追い込める筋トレ上級者向けのトレーニング法ですが、一般的なトレーニーにとってはデメリットがいくつも存在します。
ここでは、筋トレの5分割のデメリットについて、生理学的なメカニズムや実生活への影響という視点から、詳しく解説していきます。
トレーニングの頻度が低下しやすい
筋肉を大きく成長させるためには、トレーニングによって筋肉に適切な刺激を与え、その後十分に回復させるサイクルが不可欠です。
しかし、5分割法のように細かく部位を分けてしまうと、各筋肉群への刺激頻度が下がってしまうのは、ボディメイク的観点では大きなデメリットです。
運動生理学の世界では、レジスタンストレーニングを行った後の筋肉の合成反応(筋タンパク質合成:MPS)は、トレーニング後24時間から48時間でピークを迎え、およそ72時間(約3日)で完全に元のベースラインに戻るとされています。
つまり、筋肉を成長させるための「アナボリック(同化)の窓」が開いているのは、長くても3日間程度なのです。
もし各部位を週に1回しか鍛えない場合、筋肉が完全に回復してから次の刺激が来るまでに4日以上の「筋肉が成長していない空白の期間」が生じてしまいます。

事実、週間での総トレーニングボリューム(セット数×反復回数×重量)を均等に揃えた場合であっても、各筋肉群を週に1回鍛えるよりも、週に2回鍛える方が、筋肥大において有意に優れた結果をもたらすことが複数の研究で示唆されています(出典:米国国立医学図書館 PubMed『Effects of Resistance Training Frequency on Measures of Muscle Hypertrophy』)。
プロのボディビルダーのように、特殊な遺伝的素質や圧倒的な回復力を持っている場合を除き、私たちのようなナチュラル(非ユーザー)の一般的なトレーニーにとって、筋肉の合成スイッチを押す頻度を自ら下げてしまうことは、せっかくの成長のチャンスを逃してしまう要因になりかねません。
このように、トレーニング頻度が低下することで、結果的に目標とする体型への到達が遅れてしまう可能性があることは、しっかりと覚えておきたいポイントです。
スケジュール管理が難しい
5分割ルーティンを理論通りに成立させるためには、週に5日はジムに通い、それぞれ1時間から2時間の高強度のトレーニングをこなす時間を、継続して確保しなければなりません。
これは、仕事や学業、家庭の用事など、様々な社会的責任を持つ一般的な生活者にとっては、極めて高いハードルになるかと思います。
そしてさらに難しいのが、一度予定が崩れた際のリカバリー(遅れの取り戻し)が極めて困難であるという点です。
私たちの日常生活では、急な残業、予期せぬ体調不良、友人との付き合いなど、コントロールできない予定の変更が日常茶飯事です。
例えば、水曜日の「肩」の予定を休んでしまったとします。
その分を翌日に肩トレをスライドさせると、その後に控えていた「腕」や「脚」の予定がズレ込み、本来予定していた全身の完全休息日が潰れてしまいます。
筋トレにおける休息日は、ただ休むだけではなく、傷ついた筋肉や中枢神経系を回復させるための、非常に重要なプロセスです。
予定がズレて休息日を失うことは、慢性的な疲労の蓄積とパフォーマンスの低下を招きます。
逆に、「ズレるのが嫌だから」とその週のトレーニングを1回完全に飛ばしてしまうと、その部位は前回から約2週間(14日間)も一切の刺激を受けないことになり、ボディメイク的な観点から見るとあまりよくありません。
このように5分割法は、予定変更に対する柔軟性が低く、たった一つのズレが1週間、あるいは1ヶ月の計画全体を変えてしまう可能性もあるため、日々のスケジュール管理で忙しい現代人には継続は困難です。
疲労蓄積によるオーバーワーク

人間の体は、ロボットのように筋肉の部位ごとに完全に独立して稼働するわけではありません。
フリーウェイトを中心とした多くの複合関節種目(コンパウンド種目)において、メインで狙う「主動筋」だけでなく、その動作をサポートする「補助筋」も同時に動員されます。
この補助筋の疲労管理が難しいのも、5分割法のデメリットとなります。
具体例を挙げてみましょう。
例えば、胸のトレーニング(ベンチプレスやダンベルプレスなどの押す動作)を行うと、主動筋である大胸筋だけでなく、補助として上腕三頭筋(腕の裏側)や三角筋前部(肩の前側)も疲労します。
また、背中のトレーニング(懸垂やラットプルダウンなどの引く動作)では、広背筋とともに上腕二頭筋(腕の表側)が使われます。
もし「胸の日」の翌日や翌々日に、「肩」や「腕」のメニューを不用意に組んでしまうと、前日のトレーニングで微細な損傷を負い、まだ回復しきっていない筋肉群を、再び主動筋として酷使することになってしまいます。
疲労や筋肉痛が残った状態でのトレーニングは、対象筋に対して本来の力を発揮できず、十分な重量を扱うことができません。
また、痛みをかばうことで可動域が狭くなったり、フォームが崩れたりする原因にもなります。
このように、補助筋への疲労が溜まりやすく、オーバートレーニングを招きやすいのも5分割法のデメリットと言えます。
関節への負担と回復の遅れ
1回のセッションで1つの部位だけを徹底的に鍛え抜くということは、その部位に対して15セットから20セット以上という膨大なトレーニングボリュームを、わずか1〜2時間の間に集中して行うことを意味します。
「今日は胸しかやらない」と決めた場合、ベンチプレスから始まり、インクラインプレス、ダンベルフライ、ケーブルクロスオーバーなどを立て続けに行うことになります。
血流が豊富で回復力の高い筋肉自体は、トレーニングのストレスになんとか耐えうるかもしれません。
しかし、関節、腱、靭帯といった結合組織への負担は甚大です。
結合組織は筋肉に比べて血流が乏しく、ダメージからの回復に非常に長い時間を要するという生理学的な特徴があります。
特定の関節に対して、同じ軌道での強いストレスが短期間に反復してかかり続けることで、結合組織の自己修復能力の上限を超えてしまいます。
局所的な過負荷は、肩や肘、膝の関節の慢性的な炎症(腱炎など)や、中枢神経系を疲弊させるオーバートレーニング症候群を引き起こす引き金になりかねません。
ですので、長く健康に筋トレを楽しむためにも、5分割法のように1日に極端な負荷を集中させる手法は慎重に導入しましょう。
筋トレ初心者には5分割は不向き?

筋トレ初心者が5分割法を採用することは、筋肉の成長を阻害するだけでなく、トレーニングの継続そのものを危ぶまれる事態を引き起こすため、個人的にはあまりおすすめできません。
まず第一に、「運動学習(モーターコントロール)の機会が少なすぎる」という問題があります。
トレーニングを開始したばかりの段階では、筋肉そのものを大きくすることよりも先に、正しいフォームを習得し、神経系を発達させる(狙った筋肉を上手く動かすコツを掴む)ことが最優先です。
ですが、週に1回しかスクワットやベンチプレスを行わない5分割法では、動作を体に覚え込ませる反復頻度が少なすぎ、筋トレの技術習得が遅れてしまうのです。
さらに、1回のセッションで1週間分の休養が必要なほど筋肉をしっかりと追い込むには、対象筋に的確に負荷を乗せ続ける熟練の筋感覚(マインドマッスルコネクション)と、限界を超えて追い込む強靭な精神力が不可欠です。
筋トレ初心者は限界まで追い込む感覚がまだ未熟であるため、1回のセッションで筋肉に十分なダメージを与えられないことがほとんどです。
その結果、ただ筋肉痛が来るだけで十分な筋肥大のシグナルが送られず、筋肉の成長が早期に停滞してしまいます。
また、部位ごとに多種多様な種目を覚えなければならない学習コストの高さも、トレーニングを習慣化する前に挫折を招く大きな原因となってしまいます。
ですので、筋トレ初心者の場合はまずは週2~3日のトレーニングで、スクワット、ベンチプレスなどを中心に行い、しっかりとフォームを定着されるところから始めていきましょう。
筋トレ5分割法のデメリットとその補い方について

ここまで5分割法のデメリットを挙げてきましたが、それでも高い目標を持っている方や、ジムに毎日通うこと自体がライフワークになっている方など、どうしても5分割法を取り入れたルーティンに挑戦したいと考える方もいるはずです。
ここからは、筋トレの5分割法のデメリットを補い、安全かつ効果的にボディメイクを進めるための方法や、代替案を詳しくご紹介していきます。
上手なルーティンの組み方は?
5分割法を採用する場合、意識しなくてはならないポイントがあります。
それは、「互いに影響し合う部位(主動筋と補助筋)のトレーニング日を絶対に連続させないこと」と、「全身の神経を休めるための完全休息日を作ること」です。
また、エネルギーレベルが高く、中枢神経系の疲労が蓄積していない週の前半に、動員される筋肉量が多く高重量を扱う「大きな筋肉(胸・背中・脚)」を配置し、疲労が溜まってくる週の後半に「小さな筋肉(肩・腕)」を配置するのが、疲労管理のセオリーとなります。
| 曜日(例) | ターゲット部位 | スケジュール配置の意図とメカニズム |
|---|---|---|
| 1日目 | 胸 | 週の初めで最もフレッシュな状態。高重量のプレス種目を行い、その後必要になる補助筋(肩・三頭)の休息期間を確保する。 |
| 2日目 | 背中 | 前日の胸のプレス動作とは相反するプル動作。胸と三頭筋を休ませながら、もう一つの大筋群を強力に追い込むことができる。 |
| 3日目 | 脚(下半身) | 上半身の局所的な疲労が蓄積し始めるタイミングでターゲットを下半身に切り替え、上半身の補助筋群に完全な休息を与える。 |
| 4日目 | 完全オフ | 3日間の激しいトレーニングによる中枢神経系の疲労を抜き、全身の超回復を促す。後半のトレーニングの質を高めるための要。 |
| 5日目 | 肩 | 胸の日から十分な日数が空き、三角筋前部や上腕三頭筋の疲労が完全に抜けた状態で、高重量のショルダープレスに臨める。 |
| 6日目 | 腕(二頭・三頭) | 背中や胸のトレーニングから日数が経過しているため、主動筋として最大限の負荷をかけ、腕を太くするための刺激を入れ切る。 |
| 7日目 | 完全オフ | 再び全身の中枢神経と関節の回復を図る。次週の胸のトレーニングに向けて、関節や腱の炎症を鎮める重要なフェーズ。 |
いかなる順番にアレンジする場合であっても、「胸の翌日に肩」や「背中の翌日に腕」といった連続して同じ部位を使うルーティンは避けるようにするとオーバーワークを防げます。
効果的なメニュー構成のコツは?

1日に1つの部位しか鍛えないため、その日のセッションの質(強度とボリュームのバランス)が筋肉の成長を大きく左右します。
特に大胸筋、広背筋、大腿四頭筋などの大筋群の日は、エネルギーが豊富に残っているトレーニング序盤に、バーベルやダンベルを使った「コンパウンド種目(多関節種目)」を配置し、高重量で物理的な刺激をしっかり与えることがポイントです。
そしてセッションの中盤から後半にかけては、狙った筋肉だけを単独で動かすマシントレーニングやケーブルを使った「アイソレーション種目(単関節種目)」に切り替え、パンプアップ(血流を集める化学的ストレス)を狙って対象の部位を限界まで追い込んでいきましょう。
また、強度の高いトレーニングは、筋肉に対して強力な分解反応(カタボリック)を引き起こします。
トレーニング前後のアミノ酸(EAAやBCAA)や糖質の補給はもちろん、1日3食のバランスの良い食事で、体重1kgあたり1.5g〜2gの十分なタンパク質とたっぷりの炭水化物を摂取するよう徹底してください。
どれだけ激しいトレーニングを行っても、修復のための材料(栄養)と休養が不足していれば、筋肉は大きくなるどころか、逆に細くなってしまうリスクすらあることを覚えておきましょう。

筋トレ初心者におすすめなのは2分割法
これから本格的にボディメイクを始めたい方や、基礎的な筋力とフォームをしっかり身につけたいという方には、全身の筋肉を大きく2つのグループに分ける「2分割法」がおすすめです。
分け方としては、「上半身 / 下半身」で分けるスタイルや、「プッシュ動作(押す筋肉) / プル動作(引く筋肉)」で分けるスタイルが王道です。
週に3回から4回ジムに通うことで、各部位を週に約2回ずつ刺激できるため、筋肉の成長スイッチ(筋タンパク質合成の波)を途切れさせることなく、常に高い状態を維持することができます。
また、2分割法なら覚える種目数が少なく済むのも、筋トレ初心者にとって嬉しいポイントです。

1回のセッションで複数の部位に負荷を分散させるため、特定の関節への過度な負担が軽減され、翌日の激しい筋肉痛も抑えやすくなります。
「月曜に上半身、火曜に下半身、水曜休み、木曜に上半身、金曜に下半身」といったように、自分の生活リズムに合わせてスケジュールを組みやすく、一度予定が崩れてもリカバリーが容易です。
まずはこの方法で半年から1年ほどトレーニングの基礎を作り、扱う重量がスムーズに伸びていく成功体験を積んでみてほしいなと思います。
筋トレ中級者は3分割法がおすすめ
トレーニングに慣れ、扱う重量も増えてきて、さらに本格的に体をデザインしていきたい筋トレ中級者〜上級者の方には、全身を3つに分ける「3分割法」が非常にバランスが良く人気があります。
その中で最も代表的なのが、プッシュ(胸・肩・上腕三頭筋)、プル(背中・上腕二頭筋)、脚(下半身)に分ける、いわゆる「PPLルーティン」です。

この分割法の最大の特徴かつメリットは、互いに影響し合う関連筋肉群(主動筋と補助筋)を、同じ日にまとめて鍛え切ってしまう点にあります。
例えば「プッシュの日」には、胸のトレーニングのついでに肩と三頭筋も同時に疲労させてしまいます。
そうすることで、翌日の「プルの日」や「脚の日」にこれらの筋肉が邪魔をすることが一切ありません。
筋肉の回復日数を計算する管理が論理的で、非常に簡単になります。
このトレーニング法ならば、十分なボリュームと頻度を両立させやすく、関節への負担も分散できるため、世界中の中級者から上級者トレーニーまで、幅広い層に最も支持されている分割法です。
ちなみに、僕も3分割法をアレンジしたものを採用していて、胸と三頭筋は同じ日に行っていますが、肩まで同じ日にやると集中がもたないため、分けています。
こんな感じでアレンジもしやすいのが、3分割法の長所です。
まとめ:筋トレで5分割にするデメリットは?
最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまで、部位を細かく分ける5分割法のデメリットや、上手にルーティンに組み込む方法について、かなり踏み込んで解説してきました。
筋トレの5分割のデメリットは主に、「一部位週1回という頻度の低下による筋肉の成長機会の損失」「予定が崩れた際のリカバリーの難しさ」、そして「局所的な関節への過度な負荷と補助筋の疲労」の3点に集約されます。
長年の鍛錬で筋量が桁違いに多く、1部位に対して強烈なマインドマッスルコネクションを発揮できるトップレベルの選手や、ジム中心の生活を送れるプロにとっては有効な手法なのは間違いありません。
しかし、私たちのような一般的なトレーニーや初心者にとっては、無理に5分割を取り入れることで得られるメリットよりも、怪我や挫折、筋肉の成長の停滞といったリスクの方が高いかもしれません。
まずはご自身のライフスタイル、確保できる時間、そして現在のレベルを見つめ直してみてください。
あせらずに、週2〜3回からでも無理なく続けられる「2分割法」や「3分割法」からスタートして、ちょっとずつご自身のペースで成長していってくださいね。
応援しております。
※本記事でご紹介したトレーニングの推奨頻度やメニューの順番、生理学的なデータ等はあくまで一般的な目安となります。年齢や体質、現在の体力レベル、過去の怪我の有無によって、適切な運動強度や頻度は一人ひとり大きく異なります。貴重な時間や費用を無駄にせず、健康かつ安全にトレーニングを進めるためにも、最終的な判断はパーソナルトレーナーや医療従事者などの専門家にご相談いただき、ご自身の自己責任のもとで実践していただきますようお願いいたします。

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