こんにちは。おとFITNESS運営者のOTOWAです。
話題のHPSトレーニングを取り入れているのに、思うように重量が伸びない、効果がないと悩んでいませんか。
筋力アップや筋肥大を狙って新しいトレーニング法を試したのに、なかなか重量が伸びないと、モチベーションも下がってしまいますよね。
せっかくの優れたトレーニング方法でも、やり方や頻度、さらには休養の取り方など、ちょっとした間違いで、効果が出にくくなってしまうことがあります。
今回は、HPSトレーニングの効果がいまいち出ないと感じている方に向けて、なぜ重量が伸びないのかという原因から、停滞期を抜けるためのメニュー構成や補助種目の活用法まで、パーソナルトレーナーである私自身の経験も踏まえながら、詳しく掘り下げていこうかなと思います。
- HPSトレーニングで重量が伸びない理由
- 正しいメニューの順番とセット数の重要性
- 停滞期を打破するための方法
- ディロードと休養の取り方について
HPSトレーニングは効果ない?

話題のHPSトレーニングを導入したにもかかわらず、なぜ期待したような成果が出ないのでしょうか。
ここでは、トレーニングの効果を実感できない時によくある間違いや、その原因について具体的に見ていきましょう。
重量が伸びないのはなぜ?
HPSトレーニングを続けているのに、トレーニングの使用重量がなかなか上がらない場合、その原因は単一ではないことが多いです。
これには、筋肉の物理的な回復が追いついていなかったり、食事から十分な栄養が摂れていなかったり、あるいは心理的なストッパーがかかっていたりと、さまざまな要素が複雑に絡み合っています。
特に多くの方が見落としがちなのが、総摂取カロリーや三大栄養素(マクロ栄養素)、中でも糖質の絶対的な不足です。
筋力トレーニング、特にHPSのように高頻度でビッグスリーをこなすプログラムは、体内のグリコーゲン(糖質)を大量に消費します。
トレーニングの強度に見合ったエネルギーが体内に充填されていないと、身体はエネルギーを捻出するためにアミノ酸を分解(糖新生)し始め、せっかく鍛えた筋肉を削ってしまうという本末転倒な状態に陥ります。
こうなってしまうと、筋肉は成長するどころか維持することすら難しくなるのです。
また、トレーニングの「慣れ」による停滞も考えられます。
人間の身体には、ホメオスタシス(恒常性)という機能が備わっており、同じ刺激を与え続けると次第にそれに適応し、それ以上の成長を止めてしまいます。
毎回「前回と同じ重量、同じ回数」をクリアしただけで満足してしまっていると、筋肉に新しい物理的ストレス(漸進性過負荷)が与えられず、重量が頭打ちになる大きな要因となります。
停滞を打破するためには、定期的に「リフィード(意図的にカロリーや糖質を多く摂る日)」を設けたり、調子が良い日は思い切ってバーベルに小さなプレートを追加して重量を微増させてみるなど、身体にこれまでとは違う新しい刺激を与える工夫が不可欠です。
メニューの順番の重要性について
HPSとは、Hypertrophy(筋肥大)、Power(パワー)、Strength(筋力)の頭文字をとったものですが、この「H・P・S」という順番で行うことには、スポーツ科学の観点から極めて重要な生理学的な理由が存在します。
週の最初に行う筋肥大(H)の日は、中程度の重量(1RMの75%程度)で8回×4~5セットといった高いボリュームをこなすため、筋肉に強烈な代謝的ストレスと微細な損傷を与えます。
この日は遅発性筋肉痛(DOMS)を引き起こすほどハードなセッションになりますが、もしこの「H」の日の次に、最大筋力を発揮すべき「S(筋力)」の日を持ってきてしまうとどうなるでしょうか。
こうなってしまうと、筋肉の物理的な修復が不完全で、疲労物質も抜けきっていない状態で高重量を扱うことになり、本来の力など到底発揮できません。
結果として、目標の重量や回数をこなすことができず、漸進性過負荷のサイクルが完全にストップしてしまいます。
だからこそ、HとSの間に「パワー(P)の日」を挟むことが決定的な意味を持ちます。
パワーの日は、1RMの80%〜90%という重めの重量を使いますが、1セットあたりのレップ数はわずか「1回」です。
これにより、筋肉に対する物理的なダメージや疲労を最小限に抑えつつ、バーを、「爆発的に素早く挙げる」ことで中枢神経系を強く刺激し、高閾値の運動単位を呼び起こすことができます。

つまり、パワーセッションは、筋肉を休ませながら神経系の出力回路を活性化させることができるのです。
この正しい順番を守ることで初めて、週末の筋力(S)セッションで最大重量の更新が可能になります。
停滞期を招くセット数の不足
筋肥大や筋力向上の絶対的な基盤となるのが、トレーニングにおける「総ボリューム(Total Volume)」という概念です。
ボリュームは、「扱う重量 × 挙上回数 × セット数」で計算されますが、HPSトレーニングでなかなか効果を感じられないと悩む方の多くは、単純にこのセット数が推奨水準に達していない、つまり絶対的なボリューム不足に陥っている可能性が高いです。
研究データなどを見ても、例えばベンチプレスの使用重量の伸び率は、1週間のうちにこなす合計セット数に強く依存することが分かっています。
つまり、週に5セットしか行わない人に比べ、週に10セット以上をしっかりとこなす人の方が、筋力の伸び率に劇的な差が生まれるのです。
しかし、いざHPSの「筋肥大(H)の日」を迎えると、8回×5セットという指定があまりにも辛く感じられ、無意識のうちに疲労を恐れて、「今日は3セットでやめておこう」「4セット目は回数を減らそう」と自己判断でボリュームを削ってしまう方が少なくありません。
もちろん、体調が本当に悪い日は無理をする必要はありませんが、基本的には設定されたセット数を完遂することで初めて、身体に、「今のままの筋肉量では耐えられない」という強烈なシグナルを送ることができます。
このように、筋トレで効果を出すためには、ある程度のボリュームの蓄積が必要だということは、まず覚えておきましょう。

神経系の疲労が及ぼす影響について
筋トレの疲労と聞くと、誰もが、「筋肉痛」や「筋肉の張り」といった物理的な疲労を真っ先に思い浮かべるかもしれません。
しかし、高頻度でビッグスリーを行うHPSトレーニングにおいて、もっと厄介で気づきにくいのが、「中枢神経系の疲労」です。
トレーニング中、私たちは脳から脊髄を通じて筋肉に、「収縮しろ」という電気信号(運動指令)を送っています。
毎回のセットで限界ギリギリまで追い込む「オールアウト」を繰り返したり、実力以上の重すぎる重量で無理な粘り挙上を行ったりしていると、筋肉そのものよりも先に、この指令を出す中枢神経系に甚大な負荷がかかり、機能が低下してしまいます。
筋肉自体の微細な損傷やエネルギー枯渇は、栄養と休養をとれば48時間〜72時間程度で回復しますが、中枢神経系の深い疲労は全く異なるタイムラインで進行し、完全に回復するまでに数週間かかることも珍しくありません。
「筋肉痛は完全に治っているし、体も軽いのに、なぜかバーベルが異常に重く感じる」「アップの段階で力がうまく入らない、やる気が出ない」といった症状に心当たりがある場合、それは筋肉ではなく神経系がオーバーワークに陥っている明確なサインです。

HPSトレーニングは週3回全身を鍛える高頻度プログラムであるため、知らず知らずのうちに神経系のキャパシティを超過してしまいがちです。
特に筋力(S)の日やパワー(P)の日に、指定された回数やルールを破って、毎回潰れるまで追い込んでしまうと、慢性的な中枢性疲労に陥り、今すでに持っているはずの筋力すら発揮できず停滞を感じやすくなってしまいます。
疲労を、「筋肉」と「神経」の二軸で管理することが、筋トレを長期的に継続していくためには重要です。
間違ったフォームは停滞のもとになる
どんなに優れたトレーニングプログラムを採用していても、実際の動作(バイオメカニクス)が間違っていれば、狙った筋肉に適切な負荷が乗らず、効果は半減、あるいはゼロになってしまいます。
まずは、「挙上スピード(RFD:力発揮の立ち上がり速度)」に対する意識の欠如です。
特にパワー(P)の日は、重い重量を爆発的に素早く挙上することで中枢神経系を刺激し、高閾値の運動単位を動員することが最大の目的です。
しかし、ここでケガを恐れたり、フォームを丁寧に意識しすぎたりするあまり、バーベルを非常にゆっくりと押し上げてしまう方がいます。
これでは神経系への刺激が弱まり、その日のトレーニングの目的が完全に失われてしまいます。
パワートレーニングでは、バーをコントロールしつつも、ポジティブ動作(挙上する局面)では、「全速力で押す・引く」という意識を忘れないでください。
また、可動域(ROM)の制限も停滞の大きな原因です。
ベンチプレスでバーを胸に付くまで下ろさない、スクワットで深くしゃがみ込まないといった限定的な可動域でのトレーニングは、筋肉に対する機械的なテンションを半減させます。
さらには、動作をサポートする補助筋群(上腕三頭筋や三角筋など)の強化を怠っていると、メインの筋肉(大胸筋など)がどれだけ強くても、動作の途中で力が伝わらなくなり、結果的に使用重量の限界を迎えてしまいます。
このように、全身の連動性と正しいフォーム、そしてフルレンジでの動作を徹底することも、筋トレの効果を高めるためには非常に重要です。
HPSトレーニングが効果ないときにはどうする?

ここまでの解説で、トレーニングの成果がなかなかでない原因がなんとなく掴めたと思います。
ここからは停滞期を抜け出し、再び重量や筋肉量を伸ばしていくためのアプローチについてお話ししていきます。
週どのくらいのトレーニングが理想?
HPSトレーニングのポテンシャルを最大限に引き出すためには、筋肉に与える「刺激」と「回復」のバランスを考えなくてはなりません。
そのための基本となるトレーニング頻度は、週3日の非連続日(例えば月曜・水曜・金曜など)での実施です。
この「各セッションの間に必ず48時間の休息(完全休養日)を挟む」というルールこそが、筋肉を修復させながら神経系をアップデートしていくためには重要です。
もし、真面目な方で、「もっと早く結果を出したいから」と、これ以上の頻度でビッグスリーの高重量トレーニングを行っていたり、休むべき火曜や木曜にハードな追い込みをしている場合、全身の疲労が全く抜けずに慢性的なパフォーマンス低下をいずれ引き起こしてしまいます。
健康づくりや筋力向上の観点から見ても、過度なトレーニングのやりすぎは逆効果です。
(出典:厚生労働省『健康づくりのための身体活動・運動ガイド2023』)でも、成人における筋力トレーニングの推奨頻度は週2〜3日とされており、休養を挟むことの生理学的な重要性が、公的な機関からも示唆されています。
逆に、仕事や家庭の事情などで忙しく、週に1〜2回しかジムに通えていない場合は、HPSトレーニングの「日次で波状的に負荷を変える」というプログラム特性がうまく機能せず、十分な効果を得るのが難しくなります。
ですので、トレーニング頻度が少なすぎる場合は、無理にHPSトレーニングという複雑な枠組みにこだわる必要はありません。
ご自身のライフスタイルに合わせて、週2回でも全身をバランスよく鍛えられる線形ピリオダイゼーションや、分割法(スプリットルーティン)など、別のプログラムに切り替えるなどの柔軟性も持つようにしましょう。
まずは自分の生活リズムの中で、安定して回復とトレーニングを繰り返せる「最適なトレーニング頻度」を見極めることから始めてみてくださいね。
正しいメニュー構成と重量は?
停滞期を抜け出し、確実に筋力と筋肉量を増加させていくためには、トレーニングを感覚やその日の気分に頼るのではなく、各曜日の目的に応じた厳格な「重量設定(1RMに対するパーセンテージ)」を守ることがとても重要です。
一般的な6週間のHPSプロトコルでは、月曜日の「筋肥大(H)」は1RMの75%に固定し、8回×4~5セットを目標とします。
これは、一週間の総ボリュームを稼ぐ土台となります。
水曜日の「パワー(P)」は1RMの80%からスタートし、週を追うごとに徐々に90%まで上げていきますが、回数は1回×4〜5セットにとどめます。
金曜日の「筋力(S)」は85%からスタートし、最終的に95%という高重量まで段階的に引き上げ、「4回~5回」を3セット行います。
このように、毎週少しずつ扱うパーセンテージを計画的に上昇させていくことが、HSPトレーニングでは重要になります。

| 曜日 | テーマ | 重量と回数の目安 |
|---|---|---|
| 月曜 | 筋肥大(H) | 1RMの75% / 8回×5セット |
| 水曜 | パワー(P) | 1RMの80〜90% / 1回×4〜5セット |
| 金曜 | 筋力(S) | 1RMの85〜95% / 限界まで×3セット |
また、人間の体は機械ではありません。
前日の睡眠不足や仕事のストレスによって、計算上の「85%」の重さが、その日には「100%」以上に重く感じられることも多々あります。
そうした時、無理に上の設定重量に固執すると、フォームが崩れてケガに直結したり、神経系を過度に疲弊させたりしてしまいます。
そこで中級者以上の方におすすめしたいのが、RPE(主観的運動強度)という「自己調節(オートレギュレーション)」の概念を取り入れることです。
これは、「今日は設定重量だとRPE10になりそうだから、2.5kgだけ落としてRPE9(あと1回挙がる余裕がある状態)に調整しよう」といった具合に、その日の体調に合わせて柔軟に負荷の微調整を行うのです。
この自己調節のスキルを身につけることができれば、無駄な疲労蓄積を防ぎながら、安全かつ着実に停滞期を突破していくことができるようになります。
補助種目の追加で弱点を克服しよう

HPSトレーニングは、ベンチプレス、スクワット、デッドリフトといった「ビッグスリー(複合関節種目)」を中心に構成されるのが基本ですが、どうしても特定の種目だけ重量が伸び悩むこともあります。
その原因の一つとして考えられるのは、メインとなる大胸筋や大腿四頭筋といった大きな筋肉群の力不足ではなく、関節の動きをサポートする補助筋群の相対的な弱さです。
例えば、ベンチプレスにおいて、バーを胸まで下ろした後の最初の押し出しは強いのに、腕を伸ばしきる(ロックアウトする)手前でいつも力尽きてしまう場合、それは大胸筋の弱さではなく、腕の裏側にある「上腕三頭筋」や肩の前部の「三角筋前部」が相対的に弱い証拠です。
このような状態のままメイン種目ばかりを繰り返しても、弱い補助筋が限界を迎えてしまうため、いつまで経っても使用重量は向上しません。
この弱点を克服するために不可欠なのが、アイソレーション種目(単関節種目)などの「補助種目」をメニューへ組み込むことです。
ベンチプレスの停滞には、手幅を狭くして三頭筋を強烈に刺激するクローズグリップベンチプレスや、トライセプスエクステンションを追加する。
スクワットの底からの立ち上がりが弱い場合は、自重でのランジやブルガリアンスクワットで、股関節周りの柔軟性と安定性を高める、といったアプローチが効果的です。
ディロードと休養の取り方について
どんなに強靭なアスリートであっても、右肩上がりで無限にトレーニングで扱える重量を伸ばし続けることは不可能です。
高重量を扱うトレーニングを継続していれば、筋肉の奥深くに疲労が蓄積し、自律神経のバランスは徐々に乱れていきます。
ここで、「頑張らなければ」という焦りから、疲れているのに無理をしてジムに行き、さらに重量が落ちて落ち込む…という悪循環(オーバートレーニング症候群)に陥っている方は本当に多いです。
「休むのもトレーニングのうち」という言葉があるように、意図的に負荷を落とすディロード(積極的休養)の期間を設けることは非常に重要です。
一般的に、HPSトレーニングを4〜6週間ほど継続し、目標としていたサイクルを完走した後は、意図的にトレーニングの強度やボリュームをガクッと落とすディロード週(回復週)を、1週間ほど設けるようにしましょう。
この期間は、扱う重量をいつもの半分から60%程度に落としたり、セット数を大幅に減らしたりして、筋肉の血流を良くすること(アクティブリカバリー)だけに専念します。
この休養期間を意図的に組み込むことで、質の高いトレーニングを長期的に行うことが可能です。
まとめ:HPSトレーニングは効果ない?

最後までお読みいただきありがとうございました。
ここまで、HPSトレーニングで効果が出ない原因と、それを乗り越えるための具体的な方法について、深く掘り下げてきましたが、いかがでしたでしょうか。
HPSトレーニングは、最新のスポーツ科学のエビデンスに基づいた非常に優れたトレーニング法ですが、無理にこの方法に固執することはありません。
停滞期というのは、筋トレを真剣に続けていれば必ず、そして何度も直面する普遍的な現象です。
そこで心が折れてしまうのではなく、マインドセットを切り替えてみてください。
メニューの順番は本当に守られているか?セット数を無意識にサボっていないか?中枢神経系を追い込みすぎていないか?回復のための十分な栄養と質の高い睡眠をとれているか?
今回ご紹介したポイントを見返しながら、一つずつ丁寧に検証していく作業が、必ず次の成長へと繋がります。
焦って結果を求めすぎず、自分の身体の声にしっかりと耳を傾けながら、柔軟な負荷の調整を行い、長期的な視点でトレーニングを楽しんでください。
あなたを心より応援しております。
※慢性的な関節の痛みや、抜けない極度の疲労感がある場合は決して無理をしてはいけません。怪我をしてしまっては元も子もありませんので、正確な情報は公式サイトをご確認いただくか、最終的な判断は医師などの専門家にご相談くださいね。あなたがこの停滞期を見事に打ち破り、自分史上最高の筋力と身体を手に入れられることを、心から応援しています!無理なく、そして楽しく、これからもフィットネスライフを続けていきましょう!

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