こんにちは。おとFITNESS運営者の「OTOWA」です。
女性がベンチプレスで40kg挙げるというのは、簡単すぎず、かと言って不可能では全くないちょうどいいレベルの目標です。
でも、いざジムのフリーウエイトエリアに行ってみると、ベンチプレスのバーのみ(20kg)でも重すぎて驚いたり、初心者の女性にとってのベンチプレスの平均ってどのくらいなんだろう、と不安になったりすることもあると思います。
この記事では、そんな女性のベンチプレスに対する疑問を、現役パーソナルトレーナーである私の知識を元にひも解いていければと思っておりますので、少しでも毎日のトレーニングのヒントになれば嬉しいです。
- 女性のベンチプレス40kgはすごいのか
- ベンチプレス40kgに到達するためのトレーニング方法
- 女性のベンチプレス平均
- 正しいベンチプレスのやり方について
女性のベンチプレス40kgはすごい?

まずは、女性がベンチプレスに挑戦するにあたって知っておきたい基本的な知識についてお話していきます。
焦らず、自分のペースで怪我のない土台を作っていくことが、結果的にベンチプレスで40kgを挙げるという大きな目標達成への一番の近道になります。
初心者がベンチプレスを始めるには?
ジムのフリーウエイトエリアって、最初はどうしても少し入りづらい雰囲気がありますよね。
マッチョな男性が重いバーベルを扱っていたり、ガシャンガシャンと大きな音が鳴っていたりして、なんだか自分には場違いな気がしてしまうかもしれません。
でも、安心してください。
女性だって、筋トレ初心者だって、堂々とそのスペースを使って全く問題ないんですよ。
ベンチプレスを始めるための第一歩は、いきなり重いバーベルを握ることではなく、まずは胸の筋肉を使って重りを押し出すという「動き」に慣れることです。
最初からフリーのベンチプレス台に向かうのが怖い場合は、軌道が固定されていて安全なチェストプレスマシンや、スミスマシンを使って、胸の筋肉(大胸筋)が伸び縮みする感覚を、しっかりと掴んでいくのがおすすめかなと思います。
そして、いざフリーウェイトのベンチプレスに挑戦する時に絶対に忘れてはいけないのが、安全装置である「セーフティバー」の設定です。
セーフティバーは、万が一重さを支えきれなくなって潰れてしまった時に、あなたを守ってくれる命綱です。
胸の一番高い位置よりも少しだけ下、そして首やみぞおちには、絶対にバーが落ちてこない高さにしっかりとセットしてください。
胸の筋肉にしっかり効いているか、肩や腕ばかりが不自然に疲れていないかを毎回確認しながら、ゆっくりとしたコントロールされた動作でトレーニングしましょう。基礎的なフォームが、後の40kg達成を大きく左右します。
最初はバーだけでもかなり重い

いざ勇気を出してベンチプレスのベンチに仰向けになり、標準的なオリンピックバー(20kg)を持ってみると、「えっ、重りが何も付いてないのに、これだけでこんなに重いの!?」と驚く女性は多いです。
でも、そこで落ち込む必要は全くありません。
それはあなたが弱いわけでも、運動神経が悪いわけでもないんです。
女性は男性に比べて、生物学的にどうしても、上半身の筋肉量や絶対的な筋力が少ない傾向にあります。
下半身の筋力差(スクワットなど)に比べると、上半身の筋力差は男女で非常に大きな開きがあります。
そのため、男性にとっては準備運動レベルの20kgのバーであっても、女性にとっては自分の全体重の半分近い重さになることもあり、最初はそれをコントロールするだけでも、かなり高度な技術と神経の繋がり(運動単位の動員)が必要になります。
神経系の適応を待とう
最初はグラグラして上手く挙げられなくても、それは筋肉が足りないというより、「大胸筋、肩、三頭筋を同時に使ってバーを真っ直ぐ押し上げる」という指令を、脳がまだ上手く筋肉に伝えられていないからです。
何度も練習を繰り返すうちに、神経回路が繋がって急に軽く感じる瞬間が必ずやってきますので、気長にやりましょう。
また。もし20kgの標準的なバーが重すぎてフォームがどうしても崩れてしまうなら、無理は禁物です。
ジムによっては15kgの女性用バーベルや、10kgの短い固定式バーベルが置いてあることもあります。
それらがない場合は、片手5kg〜7kg程度のダンベルプレスからスタートして、まずは基礎的な筋力とバランス感覚を養うのが安全です。
女性のベンチプレス平均はどのくらい?

トレーニングを始めると、「自分が今どのくらいのレベルにいるのか」「他の女性と比べてどうなのか」といった種目の平均的な数値も気になりますよね。
ネットで検索すると様々な情報が出てきますが、実際のところ、トレーニング経験の全くない一般的な成人女性の場合、ベンチプレスの平均挙上重量は20kg未満であることがほとんどです。
10kg程度が最初の限界値という方も珍しくありません。
体重ごとに扱える重量は違う
ベンチプレスの強さを測る上で一番公平なのは、絶対的な挙上重量ではなく、「自分の体重に対して何倍の重さを挙げられるか」という体重比の指標です。(一般的に男女問わず、体重がある人の方がそうでない人よりも挙げられる重量は多くなります。)
例えば、体重50kg前後の女性にとって、ベンチプレス40kgというのは体重の約0.8倍にあたります。
スポーツ科学やトレーニングの一般的な基準に照らし合わせると、女性が体重の0.8倍のベンチプレスを挙げられるというのは、初心者レベルは脱して、トレーニング中級者と呼んでもいいでしょう。
だからこそ、ベンチプレス40kgを目標に設定してトレーニングを積むのはすごくやりがいがあると思いますし、達成した時の喜びもひとしおです。
ただ、骨格の長さや筋肉の付きやすさには必ず個人差がありますので、40kgが挙がるか挙がらないかだけを絶対的な指標にはしないようにしましょう。
※ここで紹介している数値データはあくまで一般的な目安に過ぎません。SNSなどで自分より重いものを挙げている人を見て落ち込む必要は全くありません。他人と比べるのではなく、「昨日の自分より1回多く挙げられたか」「1kg重くできたか」という自分自身の成長の軌跡に目を向けて、トレーニングを楽しんでいってくださいね。
正しいベンチプレスのやり方は?

30kg、そして目標である40kgへと重量を伸ばしていく上で、ベンチプレスのフォームの継続的な見直しは絶対に欠かせません。
ただここで注意したいのは、世の中に出回っているベンチプレスの解説動画や記事の多くが、「男性向け」に作られているということです。
男性のバイオメカニクス(生体力学)をそのまま女性の骨格に当てはめると、記録が伸びないだけでなく、深刻な肩の怪我に繋がる恐れがあります。
重要なのは、背中のアーチ(反り)をしっかりと作ることです。
女性は関節が柔らかい方が多いので、このアーチを作りやすいという特徴があります。
胸を高く張り上げる(胸椎の伸展)ことで、バーの移動距離が物理的に短くなり、より重い重量を扱いやすくなります。
さらに、肩甲骨がしっかりと寄って下がる(内転と下制)ことで、肩の関節が保護され、怪我のリスクを劇的に減らすことができるんです。
手首の保護にリストラップを活用しよう
ベンチプレスの重量が30kgを超え、いよいよ40kgが見えてくる段階になると、手首(手関節)への負担が大きくなってきます。
初心者の頃はなんとなく握っていても大丈夫だったかもしれませんが、重量が上がると少しの握りの甘さが手首の大きな怪我に直結してしまいます。
初心者に非常に多く見られるエラーが、バーベルを指の付け根に近い部分で握ってしまい、重みで手首が後ろに深く反り返ってしまう(背屈しすぎる)状態です。
この状態で40kgの重量を受けると、手首の小指側にあるTFCC(三角線維軟骨複合体)という組織に過度な負担がかかり、慢性的な痛みを引き起こす原因になります。
一度手首を痛めると治りにくく、トレーニングを長期間休まざるを得なくなってしまいます。
正しい握り方は、手のひらの上部ではなく、手首の付け根の硬い部分(生命線の始まる少し下あたり)の直上にバーを乗せることです。
こうすることで、前腕の太い骨(橈骨と尺骨)で真っ直ぐ垂直に重量を受けることができ、手首への負担を最小限に抑えることができます。
握り方を改善しても、手首にはどうしても負荷がかかります。そこで、手首を物理的にギブスのように固定してくれる「リストラップ」というバンデージの着用を強くおすすめします。怪我の予防になるのはもちろんですが、手首がガチッと固定されることで、前腕からバーベルへ伝える力が途中で逃げなくなり、結果的に「あれ、いつもより軽く挙がる!」という即時的な重量アップ効果も期待できます。30kgに挑戦し始める頃には、ぜひマストアイテムとしてバッグに入れておいてくださいね。
女性がベンチプレス40kgを達成する方法は?

フォームが安定し、怪我を予防する知識も身についたら、いよいよベンチプレス40kgに挑戦していきましょう。
ここからは、より具体的な女性がベンチプレス40kgを達成する方法について掘り下げていきます。
女性のトレーニング頻度とメニューは?
トレーニングの頻度やメニューの組み方は、筋トレで結果を出すためには非常に重要な要素です。
意外かもしれませんが、女性の筋肉は、男性に比べて持久力に優れた遅筋繊維の割合が多い傾向にあり、毛細血管の血流も良いため、トレーニング後の疲労回復が比較的早いという素晴らしい特徴を持っています。
週に何回ベンチプレスをするべき?
女性は先に述べたように回復力に優れているため、筋肉痛が長引いていなければ、意外と高頻度でトレーニングを行ってもオーバーワークになりにくいことが多いです。
ですので、ベンチプレス40kgを最短で目指すなら、週に1回だけ限界まで胸を追い込むよりも、週に2回から3回ほどベンチプレスの動作に触れ、神経系に正しい動きを反復して覚え込ませる方が効果的かなと思います。
目的別のピリオダイゼーション(期分け)

| トレーニングの目的 | 重量設定の目安 | 推奨レップス(回数)とセット数 |
|---|---|---|
| 筋肥大・フォーム構築の日 | 8〜10回が限界の重さ | 8〜10回 × 3〜4セット |
| 最大筋力向上・ピーキングの日 | 3〜5回が限界の重さ | 3〜5回 × 3〜4セット |
| 疲労回復・神経系の調整の日 | とても軽く感じる重さ | 12〜15回 × 2セット |
メニューの組み方としては、毎回「10回×3セット」のような同じ刺激を繰り返すのではなく、日によって目的を変えて変化をつける「ピリオダイゼーション」という手法を取り入れると、筋肉の成長停滞を防ぐことができます。
筋肉の断面積を大きくする「筋肥大の日」と、重さに慣れて一発の出力を高める「最大筋力の日」を交互に行うようなイメージですね。
ただし、関節に違和感がある時や、強い疲労感が抜けない時は、勇気を持って休むことも立派なトレーニングの一環ですので、無理はせず、臨機応変に体調と相談しながら頑張っていきましょう。
栄養管理も忘れずに行おう
一生懸命ジムでトレーニングをしていても、それを支える「食事」が疎かになっていては、いつまで経ってもベンチプレスの重量は伸びていきません。
特に女性の場合、体重が増えることや筋肉がつきすぎることを恐れて、慢性的なカロリー不足(アンダーカロリー)の状態でハードなトレーニングをしている方が非常に多いのですが、これが記録が伸び悩む最大の原因になっています。
筋肉を修復し、以前よりも太く強くするためには、身体に十分なエネルギーが余っている状態、つまり消費カロリーを少しだけ上回る食事(カロリーサープラス)を意識することが不可欠です。
基礎代謝と日々の活動量に加えて、+200kcalから300kcal程度を多めに摂取するイメージです。
しっかり食べてしっかりトレーニングすれば、脂肪ばかりが増えるのではなく、メリハリのある力強い身体に近づいていきます。
そして何より重要なのが、筋肉の材料となるタンパク質(プロテイン)の摂取量です。
体重1kgあたり1.6gから2.0g程度のタンパク質を1日のなかで分割して摂取することが、筋力アップには推奨されています。

(出典:厚生労働省『日本人の食事摂取基準(2020年版)』)にもあるように、健康を維持するためだけでなく、運動習慣のある人はより多くのタンパク質を必要とします。
お肉、お魚、卵、大豆製品などを毎食バランス良く取り入れ、トレーニング後や間食にはプロテインパウダーを上手く活用して、血中のアミノ酸濃度を常に高く保つように工夫してみてくださいね。
※ここで挙げた栄養管理やカロリー設定の数値は、あくまで筋力向上を目的とした際の一般的な目安です。現在の体質や生活習慣、持病の有無によって最適な食事内容は異なりますので、ご自身の体調を注意深く観察しながら調整し、不安な場合は管理栄養士などの専門家にご相談ください。
停滞を感じたら別の種目も取り入れよう
ベンチプレスをメインに据えて頑張っていても、ある重量でピタッと回数が伸びなくなってしまう時期が必ず来ます。
そんな時は、ただがむしゃらにベンチプレスを繰り返すのではなく、「自分が挙上動作のどの部分でつまずいているのか(スティッキングポイント)」を冷静に分析し、その弱点を補強する「補助種目」をメニューに追加するのがおすすめです。
弱点に合わせた補助種目の選び方
例えば、バーが胸についてから押し返す「ボトムポジション」が弱い場合は、胸の筋肉の絶対的な力が不足している証拠です。
この場合は、胸の上でバーを2秒ほど完全に静止させてから押し上げる「ポーズベンチプレス」や、ダンベルフライで大胸筋のストレッチを強めるのが有効です。
逆に、最後の一押しで肘が伸びきらない「ロックアウト」が弱い場合は、二の腕(上腕三頭筋)の力不足です。
手幅を狭くして行う「ナローグリップベンチプレス」や「スカルクラッシャー」などで三頭筋を徹底的に鍛え上げましょう。
忘れがちだけど重要なのが背中の強化
そして、ベンチプレスの重量を伸ばすために意外と見落とされがちなのが、拮抗筋である「背中」の筋肉です。
ベンチプレスは身体の前面(胸)の種目ですが、重いバーベルを安定して受け止め、ブレのない軌道を作り出すためには、背中の筋肉(広背筋、菱形筋など)が強固な土台として機能していなければなりません。
背中が弱いと肩甲骨の寄せが甘くなり、力が分散してしまいます。
ラットプルダウン、ベントオーバーローイング、シーテッドローなど「引く動作」の種目を、ベンチプレスと同じかそれ以上のボリュームでしっかりと行い、全身のバランスを整えることが、結果的にベンチプレスの重量アップに繋がります。

月経周期を考慮してトレーニングしよう
女性が長期的にトレーニングを継続し、自己ベストを更新していく上で絶対に避けて通れないのが、月経周期(メンストルアルサイクル)による体調や気分の波との付き合い方です。
女性ホルモンの変動は、筋力の発揮、疲労の回復力、さらには怪我のリスクにまで直接的な影響を与えます。
これを無視して常に同じ強度で頑張り続けるのは、非効率的であるだけでなく、精神的なストレスにも繋がります。
一般的に、月経が終了してから排卵日に向かうまでの期間(卵胞期)は、エストロゲンというホルモンの分泌がピークに向かいます。
この時期はインスリン感受性が高まり、筋肉の修復能力や抗炎症作用が高まるため、高強度・高ボリュームのトレーニングに対する身体の耐性が最も強くなります。
ですので、ベンチプレスでMAX(自己ベスト)に挑戦したり、少しハードなメニューをこなしたりするのは、生理学的に見てこの時期が一番適していると言えます。
逆に、排卵後から次の月経までの期間(黄体期)は、プロゲステロンの分泌が増加し、深部体温が上昇します。
この時期は、心拍数が上がりやすくなり、普段と同じ重量でもいつもより重く、キツく感じてしまうことが多くなります。
また、中枢神経も疲労しやすいため、この時期に無理をして重量を追うと怪我に繋がるリスクがあります。
黄体期や月経中は、「今週は重さを落としてフォームを綺麗にする週(ディロード)」と割り切って、軽い重量で筋肉の動きを確認したり、ストレッチや有酸素運動に切り替えたりする柔軟性が大切です。
自分の身体のリズムに逆らわず、調子が良い波が来た時に頑張る。
これが、女性が怪我なくトレーニングを継続していくコツになります。
まとめ:女性のベンチプレス40kgはすごい?
ここまでお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、ベンチプレスで女性が40kgを挙げるためのアプローチを詳しくお話してきましたが、いかがだったでしょうか。
まとめると、最初はバーやそれよりも軽い重量を扱い、しっかりとフォームを固めたら徐々に負荷を上げていくようにすれば、怪我無く記録を伸ばしていけますよ。
この記事が、少しでも頑張るあなたの参考になれば、筆者としてこれ以上嬉しいことはありません。
どうか焦らず日々のトレーニングを楽しんでください。
あなたのフィットネスライフが、自信と笑顔に満ちたより素晴らしいものになりますように!
心から応援しています。
【最後にお願いと免責事項】
本記事でご紹介したトレーニングのテクニック、推奨される栄養摂取の数値、および生理学的な見解は、あくまで一般的な目安であり、すべての方に同様の効果や安全性を保証するものではありません。
トレーニング中の怪我、健康上のトラブル、関節の痛みなどを防ぐため、正確な情報や最新のガイドラインは関連する公的機関の公式サイト等をご自身でご確認ください。また、実際に身体に痛みや違和感が生じた場合、あるいはご自身の体質に合わせた本格的なトレーニングメニュー・食事管理を実践される際の最終的なご判断は、必ず医師、理学療法士、または資格を持ったパーソナルトレーナーなどの専門家へご相談くださいますようお願い申し上げます。

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