こんにちは。おとFITNESS運営者の「OTOWA」です。
ジムに通い始めてマシンの使い方に慣れてきた頃、「レッグプレスは意味ないからスクワットをやったほうがいい」という意見を耳にして不安になったことはありませんか。
せっかく頑張っているのに、効果が出ないトレーニングはしたくないですし、レッグプレスによって逆に足が太くなるのを懸念される女性も多いと思います。
また、レッグプレスの腹筋への効果や適切な重量設定がわからず、ただ漫然とこなしてしまっている方もいるかもしれません。
この記事では、レッグプレスに関するそんな疑問に対して、科学的な視点とパーソナルトレーナーである私の経験を交えて、解説していきます。
- レッグプレスが持つスクワットにはない独自のメリットについて
- レッグプレス時に足の位置を変えて目的の部位を鍛える方法
- 男女別のレッグプレス平均重量目安と適切な負荷設定について
- 怪我を防ぎレッグプレスの効果を最大化するための正しいフォームと注意点
レッグプレスは意味ないって本当?

結論から申し上げますと、「レッグプレスは意味ない」という説は大きな誤解であり、解剖学的見地からも完全に否定されています。
確かに、フリーウェイトでも効果絶大なスクワットは素晴らしい種目ですが、レッグプレスにはレッグプレスの、スクワットにはない独自の強みが存在します。
ここでは、なぜ一部で意味がないと言われてしまうのか、そして実際にはどのようなメリットがあるのかを深掘りしていきましょう。
スクワットと比較したメリットと使い分け
よく「スクワットの劣化版」などと言われがちなレッグプレスですが、バイオメカニクス(生体力学)の視点で見ると、全く異なる価値を持つ種目であることがわかります。
スクワットとレッグプレスの決定的な違いは、「脊柱への負担」と「安定性」にあります。

スクワット、特にバックスクワットでは、バーベルの重量が重力に従って背骨(脊柱)に対して垂直方向の圧縮力(コンプレッション)として作用します。
これに対し、レッグプレスはシートに背中が固定されているため、腰への軸圧負荷を最小限に抑えながら、脚の筋肉だけに強烈な負荷をかけることができます。
これは腰痛持ちの方や、体幹の筋力が脚力に追いついていない初心者の方にとって、これは大きなメリットです。
「腰を守りながら脚を限界まで追い込める」という点で、レッグプレスは唯一無二の存在です。体幹が先に疲労してしまうスクワットとは異なり、脚の筋肉をオールアウト(完全燃焼)させることが可能です。
また、リハビリテーションの現場でもその価値は証明されています。
例えば前十字靭帯(ACL)再建術後のリハビリにおいては、脛骨が前方に引き出されるリスクが高いレッグエクステンションよりも、足底が固定されハムストリングスとの同時収縮が起きるレッグプレスのほうが、安全性が高いとされています。
つまり、「どっちがいいか」という二元論ではなく、目的に応じて「使い分ける」あるいは「両方やる」のが正解です。
足の位置を変えて効かせる部位を変えよう
レッグプレスの面白さは、フットプレート上の足の位置(フットプレースメント)を変えるだけで、鍛えたい部位を解剖学的に精密にコントロールできる点にあります。
これを意識するだけで、トレーニングの質が劇的に変わります。

| 足の位置 | ターゲット部位 | メカニズムとおすすめの目的 |
|---|---|---|
| スタンダード(中央) | 下半身全体 | 基礎的な筋力アップ 膝関節と股関節のモーメントアームが均等に作用する基本位置。まずはここから始めましょう。 |
| ハイポジション(上部) | お尻(大殿筋)・裏もも | ヒップアップ・裏ももの引き締め 股関節の屈曲角度が深くなるため、お尻やハムストリングスが強くストレッチされ、主動筋として働きます。 |
| ローポジション(下部) | 前もも(大腿四頭筋) | 力強い太もも作り 膝が前に出る形になり、膝関節中心の動作になります。四頭筋への刺激は強くなりますが、膝への負担も増すため注意が必要です。 |
| ワイドスタンス(足幅広め) | 内もも(内転筋)・お尻 | 内ももの隙間作り 股関節を開くことで内転筋群がストレッチされます。股関節が硬い人でも深く下ろしやすいメリットもあります。 |
例えば、「裏もものたるみを取りたい」「ヒップアップしたい」という女性であれば、足をプレートの高い位置に置くハイポジションがおすすめです。
これによって、股関節の可動域が大きくなり、お尻周りに強烈な刺激が入ります。
逆に、ボディビルダーのように大腿四頭筋の「ティアドロップ(膝上の筋肉の膨らみ)」を作りたい場合は、低い位置に置くと効果的です。
このように、自分の目的に合わせて、足の位置をミリ単位で調整することが容易にできるのも、バックスクワットにはないレッグプレスの強みです。
男女別の平均重量目安と適切な負荷設定
「どれくらいの重量でやればいいですか?男性なら200kg、女性なら100kgは必要ですか?」という質問もよくいただきますが、レッグプレスの重量は、マシンの種類(45度タイプか水平タイプか)やメーカーによって、摩擦係数が異なるため、単純に他人と比較することが難しいんです。
特に一般的な45度レッグプレスの場合、ウェイトは斜め上に押し上げる軌道をとります。
高校物理の話になりますが、このとき実際に筋肉にかかる負荷は、重力方向に対して約70%(sin45°≈0.707)程度になります。
さらにガイドレールの摩擦も加わるため、「レッグプレスで300kg挙げた!」といっても、スクワットの300kgとは物理的な意味合いが全く異なります。

一般的には体重の1.5倍〜2倍程度が目安と言われていますが、数字にこだわりすぎるのは禁物です。
最も大切なのは「見栄を張った重量(エゴリフティング)」で可動域を浅くして行うことではなく、ターゲットとする筋肉にしっかり効かせられる重量を選ぶことです。
「痙攣プレス」と揶揄されるような、数センチしか動かない高重量トレーニングは意味がない行為です。
まずは10回〜15回がギリギリできる重さで、フルレンジに近い丁寧な動作を、心がけてみてください。
女性がレッグプレスをしても脚は太くならない?

「レッグプレスをやると足が太くなりませんか?」と心配される女性トレーニーの方は非常に多いです。
しかし、安心してください。
女性は男性に比べて、テストステロン(筋肉を肥大させるホルモン)の分泌量が圧倒的に少ないため、通常のトレーニングで、ボディビルダーのようにムキムキになることは極めて難しいのです。
むしろ、レッグプレスで下半身の大きな筋肉を適度に刺激することは、美脚への最短ルートと言えます。
筋肉は脂肪よりも密度が高く体積が小さいため、同じ体重でも筋肉質の人のほうが引き締まって見えます。
さらに、筋肉量が増えると基礎代謝が上がり、安静時でも消費されるカロリーが増加します。
結果として、皮下脂肪が燃焼しやすくなり、脚の上の脂肪が落ちることで、脚全体がスリムに見えるようになるのです。
特に先ほど紹介したレッグプレスの「ワイドスタンス」や「ハイポジション」を活用すれば、前ももの過度な張り出しを抑えつつ、お尻と内ももを重点的に引き締めることができ、メリハリのある美しいラインを作ることができます。
また女性がメリハリのある整った下半身を作りたいなら、ヒップスラストやブルガリアンスクワットも必須なので、下の記事で詳しいやり方や効果も、このタイミングでおさえておきましょう!


レッグプレスは腹筋にも効く?
「レッグプレスでお腹が痩せる」と聞くと驚くかもしれませんが、これには科学的な裏付けがあります。
まず、高重量を扱う際に、体をシートに固定し安定させるため、無意識に強い腹圧(イントラアブドミナルプレッシャー)をかけます。
これにより、腹横筋などの深層にあるインナーマッスルが動員されます。
もちろんスクワットほどの体幹活動量ではありませんが、レッグプレスも決してゼロではありません。
さらに注目すべきは、内分泌系(ホルモン)への影響です。
脚という人体で最大級の体積を持つ筋群を動かすことで、脳や副腎から大量のアドレナリン(カテコールアミン)や成長ホルモンが分泌されます。
このアドレナリンには、脂肪分解酵素(リパーゼ)を活性化させる働きがあり、その受容体はお腹周りの内臓脂肪に多く存在すると言われています。
また、近年の研究では、筋肉の収縮によって、「マイオカイン」と呼ばれる生理活性物質(イリシンなど)が分泌され、これが白色脂肪細胞(太る原因になりやすい)を、燃焼しやすい褐色脂肪細胞のように変化させる可能性も示唆されています。
つまり、腹筋運動(クランチ)だけをひたすら行うよりも、レッグプレスで全身の代謝スイッチを「脂肪分解モード」に入れたほうが、結果としてお腹周りの脂肪を、効率よく落とせる可能性があるのです。
レッグプレスは意味ない?正しいやり方について
ここまでレッグプレスの有効性をお伝えしてきましたが、やり方を間違えると「意味がない」どころか、大怪我につながるリスクがあります。
ここでは、絶対に避けるべきレッグプレスのNG動作と、効果を最大化するためのテクニックを解説します。
膝のロックなど怪我に繋がるNG動作

レッグプレスを行う上で最も危険であり、絶対に避けなければならない行為、それは、「膝を完全に伸ばしきる(ロックアウトする)」ことです。
ウェイトを押し切ったトップポジションで、膝をピンと伸ばしてしまうと、筋肉の緊張が解け、数百キロという負荷がすべて膝関節、靭帯、そして骨構造に直接乗っかってしまいます。
これが原因で、半月板や関節軟骨を摩耗させるケースは非常に多く、最悪の場合、膝が逆方向に折れ曲がるような、破滅的な怪我(ハイパーエクステンション)につながる恐れもあります。
動作中は常に膝をわずかに曲げた状態(ノンロック)を保ち、大腿四頭筋の緊張を解かないようにしてください。これが安全にトレーニングを続けるための絶対ルールです。
効果を最大化する背もたれの角度は?
ジムのマシンによっては、背もたれの角度を調整できるものがありますが、これを「なんとなく」設定していませんか?
実はこの背もたれの角度こそが、効かせたい部位を決める重要な要素なのです。

背もたれを倒しすぎると(寝た状態に近づくと)、股関節の屈曲角度が浅くなり、お尻やハムストリングスへのストレッチ刺激が、弱くなる傾向があります。
これは大腿直筋の活動低下にもつながります。
逆にお尻や裏ももをしっかり鍛えたい場合は、背もたれを少し立て気味にする(90度に近づける)のがおすすめです。
背もたれを立てることで、ボトムポジション(下ろした位置)で股関節が深く曲がり、大殿筋とハムストリングスが強烈に引き伸ばされます。
ただし、角度をつけすぎるとお腹が圧迫されて苦しくなったり、腰が丸まりやすくなったりするデメリットもあるため、ご自身の股関節の柔軟性に合わせて、「腰が丸まらない範囲で最も立てた角度」を探してみてください。
腰痛を防ぐフォームと骨盤のコントロール
「レッグプレスをやると腰が痛くなる」という悩みを持つ方は少なくありません。
その原因の多くは、「バットウィンク(骨盤の後傾)」と呼ばれる動きにあります。
脚を深く下ろして可動域を広げようとするあまり、ハムストリングスの柔軟性の限界を超えてしまい、シートからお尻が浮いて、骨盤がクルッと丸まってしまう状態です。
この状態で数百キロの負荷がかかると、腰椎(腰の骨)が屈曲方向に強く圧迫され、椎間板に甚大なストレスがかかります。
これがヘルニアや慢性腰痛の引き金となります。
確かに、「可動域を広くとる」ことは筋肥大において重要ですが、お尻が浮いてまで下げる必要はありません。
骨盤がシートに密着し、脊柱の自然なS字カーブを保てるギリギリの深さで、動作を切り返すのが正解です。
もしどうしてもレッグプレスで深く下ろしたい場合は、足の位置を少し高くすることで、股関節の窮屈さを緩和できる場合があります。
マシンならではのドロップセットで追い込む

最後に、レッグプレスの効果を劇的に高めるための応用テクニックを紹介します。
それが、マシンならではの利点を活かした「ドロップセット法」です。
ドロップセットとは、ある重量で限界(オールアウト)まで回数をこなした後、休憩を挟まず、即座に重量を20〜30%落とし、さらに限界まで動作を続ける方法です。
これを2〜3回繰り返します。
スクワットでこれを行おうとすると、フォームが崩れて転倒するリスクが高く、補助者が必要になりますが、ピン一つで重量を変えられるレッグプレスなら、一人でも安全かつ迅速に実施可能です。
このメソッドは、短時間で筋肉に強烈な代謝ストレス(乳酸の蓄積や血流制限)を与えることができ、通常のセット法よりも、成長ホルモンの分泌を促すとされています。
「最近、脚の成長が停滞しているな」「トレーニングのマンネリを打破したい」と感じている方は、ぜひ最終セットに取り入れてみてください。
脚が震えて歩けなくなるほどの、最高のパンプ感と達成感が得られるはずです。
結論:レッグプレスは意味ない種目ではない
今回はレッグプレスが意味ないという説に対して、その真偽と正しい活用法を徹底的に解説してきました。
結論として、レッグプレスは決してスクワットの劣化版などではなく、脊柱へのリスクを排除しながら高重量を扱え、解剖学的に狙った部位をピンポイントで鍛えられる極めて優秀な種目です。
レッグプレスは意味がないと感じてしまう原因の多くは、可動域が狭すぎるフォーム、目的に合っていない足の位置、あるいは適切な重量設定ができていないことにあります。
正しいフォームと適切な設定で行えば、レッグプレスはあなたのボディメイク、健康維持、そしてスポーツパフォーマンスの向上において、強力な武器となります。
今日学んだ「足の位置」や「背もたれの角度」を意識して、ぜひ明日のトレーニングから自信を持ってレッグプレスを取り入れてみてくださいね!
※本記事の情報は一般的なトレーニング理論に基づく解説です。怪我や持病がある方は、医師や専門のトレーナーに相談の上、安全に配慮して実施してください。

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