こんにちは。おとFITNESS運営者の「OTOWA」です。
先週までは軽々と挙がっていたバーベルが、今日はなぜか地球に縫い付けられたように重く感じる。そんな経験をして戸惑っていませんか。
実は筋トレにおいていつもの重量が上がらないという現象は、多くのトレーニーが直面する壁です。
急に重量が落ちた原因は何なのか、ベンチプレスが上がらないのはフォームのせいなのか、あるいは自分自身の疲労レベルをチェックすべきなのか。
本記事では、そんな筋トレのスランプから抜け出す方法を、現役パーソナルトレーナーである私の経験と、膨大なリサーチに基づいて徹底的に解説します。
- いつもの重量が急に重く感じる生理学的・心理的な原因
- オーバートレーニングや神経系疲労のセルフチェック方法
- 停滞を打破するための具体的な食事とサプリメントを紹介
- トレーニングプログラムを見直してスランプを抜ける手順
筋トレでいつもの重量が上がらない原因は?

筋トレでいつもの重量が上がらない時、「気合が足りないからだ」と自分を責める前に、まずは身体の中で何が起きているのかを知る必要があります。重量が上がらないのには、必ず科学的な理由が存在します。
ここからは、なぜ身体が拒否反応を示すのか、そのメカニズムを深掘りしていきましょう。
筋トレの重量が落ちた原因は神経系の疲労?
「筋肉痛はないのに力が入らない」という場合、真っ先に疑うべきは筋肉そのものではなく、司令塔である脳や神経の疲れ、いわゆる中枢性疲労(Central Fatigue)です。
多くのトレーニーは、筋肉さえ休めれば回復すると考えがちですが、実は神経系こそが重量挙上の鍵を握っています。
私たちが重いバーベルを持ち上げようとする時、脳の大脳皮質運動野から脊髄を通って、対象となる筋肉へ「動け!」という強力な電気信号(Neural Drive)が送られます。
この信号が強ければ強いほど、多くの筋繊維(モーターユニット)が動員され、大きな力を発揮することができます。
しかし、高強度のトレーニングを長期間継続したり、毎回のセットで限界まで追い込む(オールアウト)ような練習を繰り返していると、この信号伝達システム自体に機能不全が生じることがあります。
その背景にある有力な説の一つが「セロトニン仮説」です。
長時間の運動や激しいストレスがかかると、脳内で神経伝達物質であるセロトニン(5-ヒドロキシトリプタミン)の濃度が上昇します。
通常、セロトニンは精神を安定させる物質として知られていますが、運動中に過剰になると、これが「倦怠感」や「眠気」を引き起こし、運動ニューロンへの出力を抑制してしまうのです。
つまり、筋肉自体にはまだエネルギーが残っていても、脳が「これ以上は危険だ」と判断してブレーキをかけ、アクセルを踏み込めなくしている状態です。

特にスクワットやデッドリフトのような、全身の筋肉を総動員するコンパウンド種目では、局所的な筋肉の疲労よりも先に、この中枢性疲労が限界に達しやすい傾向があります。
「身体はどこも痛くないのに、バーを担いだ瞬間に押しつぶされそうな感覚になる」というのは、まさに神経系が疲弊している典型的なサインと言えるでしょう。
ベンチプレスが急に上がらなくなる要因は?
筋力や神経系の疲労の問題ではなく、知らず知らずのうちにフォームが崩れているケースも非常に多いです。
長期間、同じ重量や同じメニューをこなしていると、人間の身体は無意識に「楽な動き」や「痛みを避ける動き」をしようと適応します。
その結果、本来力を発揮すべき理想的なフォームから、少しずつズレが生じてしまうのです。
中でもベンチプレスのような調子の波が出やすい種目の場合、以下のような微細な「エネルギー漏れ」が起きている可能性があります。
1. 肩甲骨の固定力の低下
ベンチプレスの土台となるのは肩甲骨の寄せ(リトラクション)と下げ(デプレッション)です。疲労や柔軟性の低下によりこの固定が甘くなると、背中のアーチが低くなり、大胸筋の動員率が下がります。
結果として、弱い筋肉である三角筋前部(肩の前側)への依存度が高まり、重量が挙がらなくなります。
2. 手首の角度(リストブレイク)
バーを受ける手首が寝すぎてしまうと、前腕骨の真上に重量が乗らなくなります。これにより、力がバーに垂直に伝わらず、手首を反らせる方向へと力が分散してしまいます。
ほんの数センチ、数ミリのズレですが、100kg近い重量を扱う場合、このモーメントアームの変化は数キロ〜数十キロ分の負荷増に匹敵する「重さ」として跳ね返ってきます。
3. 下半身の連動性の欠如(レッグドライブ)
「上半身の種目だから」と足をただ置いているだけになっていませんか? ベンチプレスでは、足で床を強く蹴った力を背中に伝え、アーチを強固にする「レッグドライブ」が不可欠です。
この感覚が失われると、動作が不安定になり、本来のパワーを発揮できません。
自分の感覚(主観)と実際の動き(客観)には必ずズレがあります。「今日は調子が悪いな」と思ったら、必ずスマートフォンで横から自分のフォームを撮影してください。バーの軌道が頭側に流れていないか、ボトムで肘が開きすぎていないかを確認するだけで、停滞の原因が一発で判明することも珍しくありません。
ベンチプレスの正しいフォームは下の記事でも詳しく解説していますので、よろしければご覧ください。

調子が悪いのは、オーバートレーニング症候群かも?

もし重量低下が数週間続いているなら、それは単なる一時的な不調ではなく、オーバートレーニング症候群に陥っている可能性があります。
これは「頑張りすぎ」が原因で、自律神経や内分泌系のバランスが崩れ、パフォーマンスが長期的に低下してしまう病態です。
単なる筋肉痛とは異なり、自然回復には数週間から数ヶ月を要することもあるため、早期発見が何より重要です。
以下のチェックリストを用いて、現在の自分の状態を冷静に評価してみましょう。
| カテゴリー | チェック項目 | 危険信号の目安 |
|---|---|---|
| 自律神経系 | 安静時心拍数(RHR) | 起床時の心拍数が普段より5〜10拍/分以上高い状態が続く。交感神経が過剰に興奮し、休息モードに入れていない証拠。 |
| 睡眠 | 睡眠の質と量 | 身体は疲れているはずなのに寝つきが悪い、夜中に何度も目が覚める、寝ても疲労感が抜けない。 |
| 免疫・内分泌 | 体調の変化 | 風邪を引きやすくなる、口内炎が治らない、微熱が続く。コルチゾール(ストレスホルモン)過多による免疫抑制の可能性。 |
| 心理面 | モチベーション | ジムに行くのが億劫、以前ほどトレーニングが楽しくない、集中力が続かない。 |
特に信頼性が高い指標の一つが、安静時心拍数の上昇です。朝起きてすぐ、ベッドの中で手首や首筋で1分間の脈拍を測る習慣をつけましょう。
もし平常時が60拍なのに、70拍以上の日が3日以上続くようなら、トレーニング強度が高すぎて回復が追いついていない明確なサインです。
また、オーバートレーニング症候群の具体的な定義や診断基準については、公的な医療情報サイトなども参考にするとより理解が深まります。
(出典:健康長寿ネット『オーバートレーニング症候群とは』)
これらの兆候に複数当てはまる場合は、「もっと練習しなければ」という焦りを捨て、勇気を持って完全休養をとることが、結果的に最短の解決策となります。
ここで身体が「これ以上はやめてくれ」と悲鳴を上げているのを見逃してはいけません。
栄養不足が招く重量停滞のメカニズム
例えばの話ですが、「ガス欠」の車はどんなに高性能なエンジンを積んでいても走りません。
筋トレにおける「重量が上がらない」原因の多くは、同じように、単純なエネルギー不足(カロリー不足)に起因しています。
特にダイエット中や、体重を気にして食事量をセーブしているトレーニーに顕著なのが、筋グリコーゲンの枯渇です。
筋力トレーニングのような高強度・短時間の無酸素運動では、主なエネルギー源として糖質(グルコース・グリコーゲン)が使われます。
筋肉中に貯蔵されたグリコーゲンが分解され、ATP(アデノシン三リン酸)というエネルギー通貨を作り出すことで、私たちは重いバーベルを持ち上げることができます。
しかし、慢性的な糖質制限やカロリー不足が続くと、この貯蔵タンクが空っぽになってしまいます。
このグリコーゲンレベルが低下すると、単にパワーが出ないだけでなく、身体は筋肉そのものを分解してアミノ酸を取り出し、それをエネルギーに変えようとする「糖新生」という反応を加速させます。

つまり、筋肉をつけるためにトレーニングをしているのに、エネルギー不足のせいで逆に筋肉を削ってしまっているという、本末転倒な状態(カタボリズム)に陥るのです。
「糖質は太る」というイメージから極端にカットする人がいますが、脳の主要なエネルギー源もブドウ糖です。
糖質が枯渇すると脳へのエネルギー供給も滞り、集中力が低下して中枢性疲労を招きやすくなります。結果として、脳から筋肉への指令も弱くなり、重量が扱えなくなります。
「最近、セットの後半で急に力が抜ける」「以前よりも粘りがなくなった」と感じたら、トレーニング前の食事(プレワークアウトミール)を見直してみてください。
トレーニングの2〜3時間前におにぎりや和菓子、バナナなどの消化の良い炭水化物を体重1kgあたり1g程度摂取することで、燃料タンクを満タンにし、本来のパフォーマンスを取り戻せる可能性が高いです。
筋トレのスランプは心理的要因も影響する
意外と見落とされがちなのが、メンタル(心理状態)が筋トレに与える影響です。
「また上がらなかったらどうしよう」「潰れるのが怖い」という不安や恐怖心は、身体を萎縮させ、パフォーマンスを劇的に低下させる要因となります。
スポーツ心理学には「逆U字仮説」という理論があります。これは、パフォーマンスを発揮するためには「適度な覚醒レベル(興奮・緊張)」が必要であるというものです。
リラックスしすぎて眠い状態では力が出ませんが、逆に緊張しすぎてガチガチになっている状態(過覚醒)でも、動作の協調性が失われ、パフォーマンスは低下します。
特に「いつもの重量」という言葉に縛られすぎているトレーニーは要注意です。
「この重量は以前挙げられたのだから、今日も挙げられて当たり前だ」という強いプレッシャーが、かえって自分を追い詰めています。
失敗への恐怖が強くなると、脳は無意識に防御反応を示し、筋肉への出力信号を抑制してしまうのです。これは「イップス」に近い状態とも言えます。
また、自己効力感(Self-efficacy)の低下も問題です。「自分にはこの重量を挙げる能力がある」と信じられるかどうかで、発揮できる筋力は変わります。
一度失敗して自信を失うと、「どうせ今日も無理だ」というネガティブな自己対話(セルフトーク)が脳内で繰り返され、それが現実の結果として現れてしまうのです。
ここまでの話で、原因がある程度見えました。では次はその壁をどう打ち破るか、具体的な対策についてお話しします。
筋トレでいつもの重量が上がらない時の対処法
原因がわかれば対策は打てます。
ここでは、現役パーソナルトレーナーの私が実際に試して効果を感じた、科学的根拠のある解決策を提案しますので、ぜひご参考ください。
筋トレのスランプからの具体的な抜け出し方

まず大切なのは、現状を「失敗」や「退化」ではなく、「身体からの重要なフィードバック」と捉え直すマインドセットの転換です。
重量が上がらないという事実は、今のやり方(トレーニング量、強度、休養、栄養)ではこれ以上適応できないという身体からのサインであり、次のステージに進むための調整期間だと考えてください。
スランプを脱出するための具体的なステップは以下の通りです。
1. 徹底的な現状把握と記録
感覚だけに頼らず、面倒かもしれませんが、詳細なトレーニングログをつけてください。
扱う重量や回数だけでなく、その日の睡眠時間、食事内容、そして主観的なきつさ(RPE:自覚的運動強度)を10段階で記録します。
これにより、「睡眠不足の日に重量が落ちている」「特定の種目の後に疲労が溜まりやすい」といった傾向が見えてきます。
2. 「休む勇気」を持つ
多くの人は重量が落ちると、焦って練習量を増やそうとしますが、これは逆効果です。
一度ジムから離れる、あるいはトレーニングボリュームを劇的に落とす期間を設けることで、蓄積した疲労をリセットする必要があります。
3. 計画的な変化を加える
同じことの繰り返しは停滞を招きます。後述するピリオダイゼーションやフォーム修正など、意図的に「いつもと違う刺激」を身体に与えることで、神経系を再活性化させます。
根性論で無理やり重量を追っても、怪我のリスクが高まるだけです。一度冷静になり、トレーニングは長い目でみて、成果をだせるようにしていきましょう。
ディロードによる積極的休養を取り入れる

「休むと筋肉が落ちるんじゃないか」「せっかく積み上げた重量が下がってしまうんじゃないか」……。真面目なトレーニーほど、トレーニングを休むことに強い恐怖感や罪悪感を抱きがちです。
しかし、断言します。計画的な休息である「ディロード(Deload)」を取り入れない限り、長期的な重量向上は不可能です。
ディロードとは、単なる「サボり」や「完全休養」とは異なり、意図的にトレーニングの負荷(ボリュームや強度)を一定期間下げることで、蓄積した疲労を抜き、身体を完全に回復させる戦略のことです。
特に、筋肉痛のようなわかりやすい疲労ではなく、関節、腱、靭帯などの結合組織や、先ほど解説した中枢神経系の疲労は、通常のオフ日(1〜2日)だけでは回復しきらないことが多々あります。
なぜディロードが必要なのか?
私たちの身体は、トレーニングによる「刺激」と、その後の「回復」のサイクルによって強くなります(超回復)。
しかし、回復が完了する前に次の強力な刺激を入れてしまうと、疲労は借金のように積み重なっていきます。
これを放置すると、パフォーマンスの停滞(プラトー)どころか、怪我や慢性的な不調を招く原因になります。ディロードは、この「疲労の借金」を一括返済し、再び成長曲線を描くためのリセットボタンです。
ディロードには主に2つのアプローチがあります。目的やコンディションに合わせて使い分けましょう。
扱う重量(強度)は「いつもの重量」をキープしたまま、セット数やレップ数を半分程度に落とす方法です。
(例:ベンチプレス 100kg×10回×4セット → 100kg×5回×2セット)
メリット:
神経系にかかる「重さへの感覚」を維持できるため、ディロード明けに「重くて持てない」という感覚のズレが起きにくいのが最大の特徴です。技術的な練習も継続できるため、フォームを固めたい時期にも適しています。基本的にはこの方法をおすすめします。
セット数やレップ数は維持し、扱う重量をMAXの50〜60%程度まで落とす方法です。
(例:ベンチプレス 100kg×10回×4セット → 50kg×10回×4セット)
メリット:
関節や腱への物理的な負担を大幅に軽減できます。「肩が少し痛い」「腰に違和感がある」といった、怪我の予兆がある場合や、フォームを一から見直したい場合に非常に有効です。
ディロードの期間は通常1週間(1サイクル分)です。
頻度の目安としては、4〜8週間に1回、あるいは「2セッション連続で重量や回数が落ちた」タイミングで導入することをおすすめします。「調子が良い時こそ休む」のが、長く成長し続ける上級者の秘訣です。
ピリオダイゼーションで重量停滞を打破

「毎週月曜日は胸の日で、ベンチプレス10回3セット」というように、毎回全く同じメニューを繰り返していませんか? もしそうなら、その「ルーティン」こそが重量が上がらない最大の原因かもしれません。
人間の身体には「特異性の原理」と「適応の法則」があります。同じ刺激を与え続ければ、身体はその刺激に耐えられるように適応します。
しかし、一度適応してしまえば、それ以上の成長(過剰適応)は起こりません。これが「慣れ」による停滞です。
この壁を打ち破るために不可欠なのが、トレーニングの内容を定期的に変化させる「ピリオダイゼーション(期分け)」という概念です。
一般的には、数ヶ月単位でメニューを変える「線形ピリオダイゼーション」が有名ですが、重量停滞に悩む中級者以上のトレーニーに私が強くおすすめしたいのが、より頻繁に刺激を変える「非線形ピリオダイゼーション(DUP:Daily Undulating Periodization)」です。
マンネリを防ぐピリオダイゼーションの実践例
非線形ピリオダイゼーションでは、1週間の中で「筋肥大(高ボリューム)」の日と、「筋力(高強度)」の日を設け、毎回異なる刺激を筋肉と神経に与えます。例えば、ベンチプレスを週2回行う場合、以下のように設定します。
| 曜日 | テーマ | 設定重量・回数・セット数 | 目的と効果 |
|---|---|---|---|
| Day 1 | 筋肥大・ボリューム | 70〜75% 1RM × 8〜12回 × 3〜4セット | 筋肉量を増やし、土台を作る。代謝的ストレス(パンプ感)を与えることで、筋細胞内の環境を変化させる。 |
| Day 2 | 筋力・神経系 | 85〜90% 1RM × 3〜5回 × 3〜5セット | 高重量を扱うことで、神経系の出力を高める。眠っている運動単位(モーターユニット)を叩き起こす。 |
このように変化をつけることで、以下のメリットが得られます。
- 「慣れ」を防ぐ: 毎回違う刺激が来るため、身体は常に適応しようと必死になり、成長が止まりにくくなります。
- 疲労の分散: 高重量の日の次は中重量の日とすることで、関節や神経系への負担を分散させ、オーバーユースによる怪我のリスクを減らせます。
- 飽きの防止: トレーニング自体に変化が生まれるため、精神的なマンネリ化を防ぎ、毎回のセッションに集中しやすくなります。
「重量が上がらない」と悩んでいる時は、重量を追うのを一旦やめ、レップ数を変えたり、動作のテンポ(ゆっくり下ろすなど)を変えたりして、身体にいろいろな刺激を、与えさせてみてください。
その「様々なパターンの刺激」こそが、新たな成長のトリガーとなります。
トレーニング中の栄養摂取も重要

トレーニング中、あなたは何を飲んでいますか? もし「水だけ」あるいは「お茶」で済ませているなら、それは非常にもったいないことです。
特にトレーニング時間が1時間を超える場合や、高重量を扱うハードなセッションでは、水だけの摂取ではパフォーマンスを維持できず、後半にガクッと重量が落ちる原因になります。
トレーニング中の栄養摂取(イントラワークアウト)は、筋肉の分解を防ぎ、最後まで集中力とパワーを持続させるための「生命線」です。
私が実際に試して効果を実感し、現在も愛用しているトレーニング中の「スタミナ切れ防止」のための黄金セットをご紹介します。
1. マルトデキストリン(糖質)
マルトデキストリンは、トレーニング中のガソリンです。消化吸収が非常に速い炭水化物(粉飴など)をドリンクに混ぜることで、血糖値を一定に保ちます。
これにより、脳へのエネルギー供給が途切れず、中枢性疲労による集中力低下を防ぐことができます。また、筋グリコーゲンの節約にもなり、後半のセットでも粘りが効くようになります。
摂取の目安は、体重×0.5〜0.8g(30〜60g程度)となります。
2. EAA(必須アミノ酸)またはBCAA
トレーニング中は筋肉の合成よりも分解(カタボリズム)が進みやすい状態です。
EAA(必須アミノ酸)またはBCAAで、血中のアミノ酸濃度を高めておくことで、筋肉の分解を抑制し、疲労回復を早める効果が期待できます。
特にBCAAは、脳内へのトリプトファンの移行を阻害し、セロトニン生成による精神的疲労(眠気やダルさ)を軽減する可能性があります。
3. シトルリンマレート
シトルリンマレートは、血管を拡張させ、血流を良くする「NO(一酸化窒素)」の産生を促します。
血流が増えれば、酸素や栄養が筋肉に届きやすくなり、同時に疲労物質(アンモニアや乳酸)の除去もスムーズになります。
これにより、「あと1回」の挙上回数が増えたり、セット間の回復が早まったりする体感が得られやすいサプリメントです。
4. 電解質(塩分)
汗と共に失われるナトリウムやカリウム、マグネシウムなどのミネラルです。
これらが不足すると、神経伝達がうまくいかなくなり、筋肉の痙攣(つる)や、力が入らない原因になります。特に夏場や発汗量の多い日は、少量の塩をドリンクに入れるだけでもパフォーマンスが変わります。
これらの成分を水に溶かし、トレーニング開始から終了まで、少しずつこまめに飲み続ける(チビチビ飲み)のがポイントです。一気飲みするとお腹がタプタプになったり、血糖値が乱高下したりするので注意しましょう。
フォームを見直す
「重量が上がらない」=「筋力が足りない」とは限りません。
エンジンの馬力はあっても、タイヤに動力が伝わっていなければ車は進まないのと同じで、筋力をバーベルに伝える「技術(スキル)」が低下している可能性があります。
特に疲労が溜まっている時や、重量への恐怖心がある時は、無意識にフォームが小さくなったり、逆に荒くなったりしがちです。
自分の感覚を信用しすぎないようにし、たまにはスマホで動画を撮り、以下のポイントを確認しましょう。
- バーの軌道:垂直、あるいは適切な弧を描いているか?ブレていないか?
- 可動域:「いつもの重量」を挙げるために、浅くなっていないか?
- 動作の切り返し:ボトムでバウンド(反動)させすぎていないか?
- 体幹の安定:腹圧(ブレーシング)が抜け、腰や体幹がグラついていないか?
筋肥大を促進する種目であるBIG3の正しいフォームについても、下の記事でぜひこの機会に確認しておくとよいでしょう。


弱点部位の特定と補助種目
動画を見返すと、「どこで動作が止まるか(スティッキングポイント)」が分かります。それにより、強化すべき筋肉が見えてきます。
- ボトム(一番下)で挙がらない: 初動のパワー不足。ポーズスクワットやポーズベンチプレスで、反動を使わない筋力を養う。
- ロックアウト(最後)で挙がらない: フィニッシュに関与する筋肉の不足。ベンチプレスなら上腕三頭筋、デッドリフトならお尻や背中の上部を、個別の種目で鍛える。
メイン種目だけにこだわらず、こうした補助種目やバリエーション種目を積極的に取り入れることが、結果としてメイン種目の重量向上(キャリーオーバー)に繋がります。
まとめ:筋トレでいつもの重量が上がらない問題

最後までお読みいただきありがとうございます。
「いつもの重量が上がらない」という現象は、トレーニーにとって非常にストレスフルな体験ですが、それは決してあなたの能力が低下したわけでも、才能がないわけでもありません。
それは、あなたの身体が発している「今のやり方を見直してほしい」という重要なメッセージです。
- 見えない疲労(中枢性疲労)が溜まっていないか?
- 栄養(特に糖質)は足りているか?
- 同じメニューばかりでマンネリ化していないか?
- 休むことを恐れていないか?
この記事で紹介した「ディロード」「ピリオダイゼーション」「栄養摂取の見直し」といった戦略を一つずつ試してみてください。
プラトー(停滞期)は、次なる飛躍のための準備期間です。壁にぶつかったということは、それだけあなたが真剣にトレーニングに向き合い、成長してきた証でもあります。
焦らず、腐らず、賢くアプローチを変えれば、必ずその壁は突破できます。そして、その先には「いつもの重量」が「ウォーミングアップ」に感じる日が待っているはずです。
あなたのトレーニングライフがより充実したものになるよう、応援しています!
※本記事で紹介したトレーニング法や栄養摂取に関する情報は、一般的な知見に基づくものです。個人の体質や健康状態により効果は異なります。特に持病をお持ちの方や怪我の不安がある方は、医師や専門のトレーナーにご相談の上、安全に実施してください。

コメント